東海道四谷怪談

今更ながら、やっと見ました中川信夫監督の『東海道四谷怪談』。
いや〜もう、すごい!すごいんです。なんとまあ、完璧な作品!!!
止まらなくて、3回続けて観てしまった。だから今日はほぼ終日『東海道四谷怪談』を
観ていたことになります。なんて休日なんでしょう!


映像は、なにをやってもいいんです。とくにSFとアニメーションと・・・怪談はね!
なんて、これを観るまでは思いつきませんでした。
この映画の何が凄いって、彼岸と現実の入り乱れる、おそろしく重厚な美しさ。
鑑賞2回目に思った。これ、はじめから終わりまで、すべて悪夢なんじゃないかって。
彼岸からくる波が、ぴちゃぴちゃと足元に流れてきたと思ったら、ひそかに静かに水浸しになってて、
気づけばどんどん増えて溺れてしまう、そういう怖さに満ちている。
現実が、彼岸にのまれるドキュメントのようだ。
奥さんのお岩さんを毒殺して、呪われて心がおかしくなっていく伊右衛門
伊右衛門がみている幻覚をみせていくの、それは『幽霊』じゃなくて『幻覚』というほうがあっていて
この映像表現のアシッドさは本当に凄い。底なし沼に足をとられるように、鈍くゆっくり沈んでゆく感覚。
しかし、幻覚は彼岸の波のはじまり。終盤『幽霊』の執拗な攻撃が(ここの編集のスピード感は完璧!)
まったく別の怖さで迫ってくるのです。この緩急のバランス、100%です。お見事でした。
続けて3回観ることができるのは、これ、重くないんですよ。やっぱり妙な浮遊感があるんだな。
それこそ本当の『幽霊映画』だと思うんだけどなんつって。


ところでこれを貸してくれた友人は、いつも私のハートをわしづかみするものを投げてくるっていうか、
多分つぼがバレバレなんです。。恥ずかしいけど書きます。
・・・天知茂 カッコイィ〜!!!!!

東海道四谷怪談 [DVD]

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