Today#32 音効さん

やっぱ毎日の日記だと、仕事のことばっかりじゃん・・・。
なるべくそれ以外のことを書きたいのにな。忙しいと一日がそれだけになるから、なかなかね。
きょうはやっと、編集地獄の出口にたどり着いて、まるで取り憑いた霊が消えたような気分です。
まあ、本当のエンディングはこの後なんだけど・・・。
でも脱出できた、今日はそこまでで終わる映画のようでいいや。編集が終わるといつもそんな感じ。
最後はMA(音入れね)が待っている。そのとき私の映像を5割増しぐらいにしてくれるのが音効さんです。
今回は初めて一緒に仕事する音効さんで、歳も同じぐらい。とてもやりやすくて。
まあ音効さんて職業柄、音楽バカばっかりなんだけど、「〜〜みたいな音を」と言って
すぐに通じるか通じないか、分かってもらえるかどうかっていうのが、人によってはっきり違うものでね。
例えばその人にとっての「XTC」とは、正統派ブリティッシュポップスなのか、ねじ曲がり
巴投げスーパーポップスなのか、はたまた聞き流せる無難なBGMなのか・・・なんて具合に
こちらの主観と相手の感覚の相性っていうかね、はっきりその人によって違ってくるの。
私が違うと言えば、無言で別の音を出して会話してくる。
それで更に、私の想像を簡単に超える演出が完成したりする。
音響効果は、ディレクターと同じかそれ以上の権力を持つものだと思う。


友人に音効さんがいる。私とめちゃめちゃ音楽の守備範囲が近くて、そもそもそれで仲良くなった人。
その人自身をよく知っていると、その仕事ぶりを聴いたとき、あの人こんな風にこの曲を
聴いていたんだ・・・と驚くことがある。
逆に仕事外で音効センスが炸裂する時もあって、例えば一緒に車に乗ってて、何気なくCDを
替えると、その風景にぴったり合ってる。とか。
そんなときびっくりする。私の想像を簡単に超えるから。


今回の音効さんは「僕にお任せにすると、全部ヘビメタになりますよ」と言ってた(笑)
ヘビメタマニアの選曲とは思えないよ・・・まったくフシギだね、人の感覚って。