Today#118 今日のシェイクスピア

携帯電話を久々に買い換えて、QRコードが読めるようになってから
生活の中でQRコードを見つけると、嬉しくてすぐ読んでしまいます。
そんな風にして出会ったサイト「新潮ケータイ文庫」のお話。


名前の通り、新潮社の文庫本が携帯電話で読める会員制サイトなんだけど
ページ内で読むだけでなく、メールで本文の配信をしているんです。
メールで毎日、送られてくる小説を読むのはちょっと面白い感覚です。
新聞の連載小説のような、ちょっとずつ楽しみに読んでいる感じはもちろんのこと
携帯メールっていう媒体のせいで、なんかちょっとした手紙が来たような感じがする。
一人称の小説なんて、誰かのつぶやきが舞い込んできたみたいです。
同じ本を文庫本で読むのと、メールとでは、きっと受け取り方が全然かわってくる気がするよ。
最近は阿刀田高の短編「ストーリーの迷宮」が送られています。
阿刀田さんは、現実の境目が曖昧で・・・と何度も語りかけてくるから、おもわず返信したくなっちゃうよ(笑)


さて今日こんなことを書いているのは、きょう届いたメールの文章にヤラレたからです。
小説以外にも「今日のシェイクスピア」という、シェイクスピア作品から毎日ランダムに抜粋して
名台詞を送ってくるものがあってね。
私はシェイクスピア、ちゃんと読んでいないから、毎日ルーレットのように飛び込んでくる言葉にびっくり
どっきりしてる。占いみたいだし、格言みたいだ。それは物語の中で吐かれた台詞で、
つまりほんとに誰かのつぶやきでしかないからさ。
きょう届いたのはハムレットの言葉
  この世の関節がはずれてしまったのだ。
  なんの因果か、それを直す役目を押しつけられるとは!

ぎょっとした!
この世の関節がはずれたって・・・なに、どうしたの、なにがあったの、何に対してそう言ってるの?
言葉が組み合わさるだけで、このびっくり感ったらない。言葉ってすごい と、久し振りに思った朝でした。


送られてくるのはこんな感じで、日々、誰かのひとことがやってくる。明日は誰が何を言うんでしょう。
現実も、そうだな 同じことだけど・・・
明日は、誰がなにを言って、私は誰になにを言うのか、わかんなくておもしろいね。
ここに書くことも。