みちのくサマータイムブルースPart1 岩手・花巻篇

今晩は、岩手県北上市に到着しました。
朝、東京を出て、なんとなく走っていたら午後には花巻市に着いてしまった。
運転が辛くなったら、仙台で降りて一泊しようと思っていたけど、意外とあっという間に。
山・大きい河・山・山…平坦な道、よい天気。東北道はとても走りやすくて気持ちよかった。


明日に予定していた『賢治の日』を急遽、前倒しして
きょうは花巻市で、宮沢賢治めぐりをしてきました。
よだかの星とかセロ弾きゴーシュ、料理店、なめとこ熊、銀河鉄道もそうだ、
宮沢賢治はいつも夏休みに読んでいた。
小学生のころ、夏の暑くて涼しい実家や図書館で、読んだ感覚がくっきり思い出せる。
あれから20年以上した夏休み、おとなの私はくるまだぜ。宮沢賢治のいた故郷へ。
花巻はほとんど宮沢賢治の町です。イーハトーブ市に改名してもいいぐらいに。


関連施設が密集しているあたりへ向かい、まずは宮沢賢治童話村へ。
彼の物語世界を感覚的に表現したアミューズメントパークだったんだけど、なんとも微妙でした。
やりたい事は分かるんだけど…ちょっともっさりしています。観光施設のもっさり感というか。。
施設の一発めがこれってことは、大丈夫か?まさか全部このノリだったりして?
どきどきしました。しかし宮沢賢治記念館はすごく充実していて、いろんなことをかんがえた。
彼について知りたいことが沢山、要約してここにある気がした。
世界観のベースである法華経のことや、農業、科学理論、鉱石、音楽、植物、天体宇宙、人生
これらと賢治とのつながりを、丁寧に分かりやすく説明していて、賢治の原稿抜粋が一緒に並んでる。
原稿、じっくり読んだ。そうやって読むと、彼が選んだ一言の表現が指し示していたものに気がついて
賢治の大きな大きな思考の源を深く知ったよ。
わたしは彼の言葉がだいすきだ。だからとても驚いたり、静かにニヤけたりした。


記念館が独自に編纂した小冊子が売っていた。がり版の300円位のやつ。たぶんここでしか買えないと思う。
宮沢賢治 選抄」という、記念館選の小品集(展示されてた、彼の描いた絵もある)と
宮沢賢治 農民芸術概論網要」その名の通りの芸術論、農民芸術っていう考え方を伝える。
ホテルに戻って、農民芸術概論を読んだ。すぐ読み終わるほど短いんだけどね、素晴らしい!のでちょこっと抜粋。
 −まずもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばろう
  しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きている
  ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である
 −詞は詩であり 動作は舞踏 音は天楽 四方はかがやく風景画
  巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなす


記念館で2時間以上かけてしまい、他の微妙そうな施設は閉まっちゃった。
注文の多い料理店「山猫軒」でイーハトーブ定食を食べてみました。
ふつうのレストランでした。そこそこ美味しかった。


賢治村を離れて、イギリス海岸へ。
ここは北上川の河川敷なのに、海岸って賢治は呼んだ。カッコイイね。
ドーバー海峡に似ているからって、イギリス海岸としたらしい。
濁流なみなみと流れる、広い川幅のこの地で、賢治は化石をみつけたり地質調査をしてた。
少し歩いた。多摩川とも荒川とも違うや、当たり前だけど。自然の密集率が違う、濃い。野生の空気。
虫や鳥や色々な生き物が鳴いてた。そのうち雨が降ってきて、車にもどった。
観光終わり。


さーて花巻温泉郷でも行くか。
温泉郷の一番手前の湯に入ったら、トロン湯だった。すっごい発汗作用がつよいお湯。
汗だくだくでデトックスして、出た後もしばらく心臓がどきどきしていました。すごいよトロン。
お湯の感触はやわらかいんだけどね。癒されるっていうかハードだった…。


なぜかビジネスホテルが異様に多い北上市に向かいつつ、本屋をさがしてた。
突発的にセロ弾きゴーシュを読みたくなって、本屋なんてすぐ見つかるだろうと思ってたら
ぜんっぜんないの!!!ツタヤ風の大型レンタル店の本屋は、漫画と雑誌しかないし
『本』の看板それ以外はみんなマンガ喫茶です。このへんの人はどこで小説を買うのだろう?
と思いつつ探しまくって、やっとイトーヨーカドー内にあるのを発見。
もうなんか、マックスバリューとマンガ喫茶と薬局ばっかり…。
ってこともないけど、そんな同じような店の多い国道沿い。コンビニも意外と少なかったなぁ。


北上でホテルを取り、晩御飯はラーメンにしました。
「みちのくラーメン」というお店で、これがすっごい美味しかった!太麺で。
みそバターコーンを食べました。北上に行くことになったら、ぜひどうぞ。駅からすぐ。超お勧めです。


あーしたはあしたの風が吹く。河童に会えるといいんだけど…。
みちのくより おやすみなさい。