約束の夜

12月の初めごろ、ドイツに住む親友から届いたメール。
『今年のクリスマス、超久し振りにクリスマス礼拝に出席することになった』
クリスマス礼拝ってのは、中学・高校とカトリックの学校に通っていた私達の毎年の恒例行事で
当時はイコールめんどくさいだった。
「ハレルヤ」や「オー・ホーリー・ナイト」などの宗教音楽ヒット曲群を、何語だろうが丸暗記
しなきゃならなかったし、式の段取りも入り組んでるから、リハーサル日を設けて練習してね。
毎朝の礼拝では、2曲の聖歌を歌うのが日課だっだけれど、クリスマス礼拝だけは別格で
いつもは当番制でもちまわり伴奏してたオルガンも、この日だけは生徒にさわらせない。
そしてその合唱のクオリティにかなり重きをおかれていた。放課後、夜遅くまで合唱の日々。


クリスマス礼拝ねぇ。
この歳になると、なんかなつかしくて、いいなぁって思う。ドイツのクリスマス礼拝ってのがまたいいね。
ドイツではクリスマス、ハンパなく街中が盛り上がるらしいんだ。
そして、メールの続きはこうだった。
『きみの幸せを本気で祈ってくるから、そのつもりで』
泣けるったらないでしょ?嬉しいし、親友がそう思ってくれたことそのものが、私の幸せだよ。
すでにあなたが祈りを捧げる前に。私はあなたの言葉で幸せだ。


ツラすぎて笑っちゃう、ブルースみたいなメールを出した、その返事だった
厄年の厄が一気に直撃してるよ!と書いたら、
それで終わり!もう、それ以上は、ない! そう強く返してくれた。
彼女が本気で祈ってくれるのなら、私の人生はナントカなりそうな気がする。
そしてあっという間に、約束の夜はやってくるんだ。
自他共に認める音痴な彼女が、15年ぶりに大声で聖歌を歌う夜が。