さかなのライブに集まる人々

きょうは偶然に偶然が重なって、さかなのライブへ行くことになった。
実は前回から一年以上経っているんだけどね、全然そんな感じがしなかった。
フジロックポコペンさんの勇姿を見たり、個人的にお会いする事もあったし
それに、いつも手元に音楽があったから。


吉祥寺のMANDA-LA2でライブ。
きょうは、ゲストにエマーソン北村さんを迎えてのアコースティック・セットで
寒い夜にリキュール入りコーヒーを飲んだように、暖かく、体の芯が熱くなるようなライブだった。
エマーソン北村さんの鍵盤の音色はとても独特で、大好きだ。あの音色が響きはじめると
なんかもう悪い出来事とか、ネガティブな感情などどうでもよくなってしまう。
そしてさかなの二人は、路上の猫達みたいに、マイペースにそこにいる。
さかなのライブは、初期のスザンヌ・ヴェガの『街かど感』に似ていて
ふっと始まる感覚がとても好きだ。
ビートサレンダー達は、親友に会いに行くようにして、さかなのライブへ立ち寄る。
またはお気に入りのお店のシチューを食べに、現像した写真を受け取りに、そんな感じで街を歩いて
小さな、穏やかな空間にふらっと入る。
電話やメールでやり取りしていた友人の顔をみて、ほっと嬉しくなる。さかなのライブはそうなんだ。
今夜も、さかなのライブを観て、とてもほっとした。


私の友人達はさかなを(本当に、私的に、心から)愛している人が多い。
ライブに行くと誰かがいるし、全員揃うと12名の団体さんになってしまう。
みんなそれぞれ音楽が好きで、趣味嗜好はバラバラなのに、さかなだけは完全に一致する。
不思議だなぁっていつも思う。
さかなとは全く関係の無いところで出会った、性格も十人十色の12人が、同じような愛しかたで
さかなを愛してるなんて。
ライブが終わると、「良かったねぇ…」ってニコニコして、口々に感想を言って
帰りの車の中では、みんなでさかなを聴き、暖かい余韻に包まれている。
元はといえば私が発火点なんだけど、こんなに、彼らの日々の心の支えになるほど皆が『ファン』になるなんて
思ってもみなかった。
べつに全員を一堂に会してCDを聴かせたわけじゃないし、無理やりライブに連れてったわけでもない。
自然に広がって、気がついたらさかなのお二人を試写会に招いたり、一緒にお仕事する友人も出てくるほど
身近な方々になっていた。
たった一枚、気まぐれに買った私のCDが、曼荼羅を照らし出すように
見えなかった運命を浮き上がらせたんだ。


音楽って不思議だね。
私、今夜はポコペンさんに、フジロックでのフィッシュマンズとしてのベストアクトへの感謝(驚)を
伝えることができて、本当に嬉しかった。
 いつだって あなたのファン、すべてが。
 いつだって あなたはスター、スターさ。
私はこの歌をライブで聴くと、いつもじんわりするよ。

LITTLE SWALLOW

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