六本木の春 Part1〜森美術館の笑い展

本日は六本木ヒルズへ。
森美術館「笑い」展+映画館「ポリス インサイド・アウト」という濃いぃ二本立体験でした。
あまりに濃かったので二日に分けてご報告です。
実は森美術館へ行くのは初めて。いっつも大混雑という印象があって敬遠してた。
あの美術館って、入場料が展望台とセット販売なのね・・・。展望台いらないんだけどな。。
人は多かったけれど、美術館内に入ると空いていたのでほっとした。


さて「笑い」展。行ってみたら二部構成の巨大な笑いだった。
「日本美術が笑う」&「笑い展 現代アートにみるおかしみの事情」という二本柱で
前者が古代〜近代の日本美術、後者は世界の現代美術をあつめた構成。
てっきり、日本美術だけだと思っていたので驚いた。これ、半日コースですよ!時間配分間違えたなあ。


まず「日本美術が笑う」展から。
トップバッターは、はにわ!はにわですはにわ!はにわが!笑って迎えてくれます。観たら絶対笑います。
ぱっかーんと笑う(ように見えるのか笑ってるのか)縄文時代土偶&埴輪。
造形だと、穏やかに心から微笑む、円空や木喰の木仏さんも待っています。
近代では、こちらを見るでもなく意味深に微笑む岸田劉生の「麗子」像、
意図してないだろうけど、今見るとなんかオカシイ、江戸の豪華絢爛お笑い屏風。
ちょっとマヌケな描かれ方が、たまんなくきゃわいい動物絵画。
そして漫画の原点、庶民の絵巻物はみもふたも無い下ネタ絵巻(デジタルで全巻映像化してます)
などなど。たいへんな騒ぎです。
『笑い』の切り口にも色々と意味があってのキュレーションなんだけど、単純にとてもおもしろい。
日本の美術史でもあるし、様々な『日本らしい笑い』の感性の歴史をみることもできた。
もうここまででおなかいっぱいだけど・・・引き続き隣のホールへ。


「笑い展 現代アートにみるおかしみの事情」では、トップバッターにフルクサスを投入!ホームラン狙いです。
いきなり世界が変わります。『笑い』が『ユーモア』に。シニカルで、裏返せばマジもある冗談直球ストレート。
ただのギャグじゃない笑い。皮肉やエレガンスをたたえた複雑な現代的感性です。
そして笑いは反骨精神にも直結している。モンティパイソンを思い出してもらうと分かりやすい。
制限なし一本勝負の現代美術はそれ自体が・・・なんて思ってしまう。
古代〜近代から、現代美術へどーんとジャンプしているってのはもちろん大きいけれども、こうやって見ると
日本の笑い史はウフフ、オホホのおかしみ感はもちろんのこと、ゲラゲラ大笑いの土着っぽさですら
シンプルでしっとりしているんだなぁ・・・と思わずにいられません。
映像作品は、時間がなくて流し見程度しか鑑賞できなかったけれど、超大量放出のフルクサス作品郡と
赤瀬川原平ハイレッド・センターの作品郡がめちゃくちゃ面白かった。
あとはロビン・ロードに、韓国のギムホンソック・・・韓流華流のアーティストがどうも、いいなぁと思った。
横浜トリエンナーレの際にも感じたんだけど、このごろアジアの現代美術がなんか気になる。
どかんと一気に、独特なハジケかたをしまくっている気がするなぁ。あ、日本もそうだね。アジア。


森美術館はオープン当時からずっと、見たいなーと思うような面白い企画展示がずっと続いてた。
初めて体験してみて、やっぱり全体的にとてもよく考えられている(楽しんでね!が溢れてる)構成だった。
52Fという場所や人ごみに恐れをなしていたけど、中に入ればそこそこ空いてるし、今度からは怖がらずに
登ってみよーうと思ったよ。


半日かかるぞ覚悟して臨むべし!森美術館のページ
http://www.mori.art.museum/jp/index.html