ルネッサンスの西洋哲学者が気づいたこと

いま荒俣宏の「神秘学マニア」を読んでいて、これは本当にこの人のマニアぶりが
よくわかるすっごい本。なんです。
通勤電車(30分くらい)で読むと、丁度よく1篇が終わる位の小編集。
簡潔でいて、この『1篇』の内容の濃さが半端じゃない。
毎朝毎晩、モンスターや魔術や哲学や超常現象や・・・世界中を駆け巡る、30分の
マジカルミステリーツアーに連れていってくれます。


それで今日読んだ部分に、今まで断片的に見聞したり、考えたりしてきた
『SFや超常現象がノンフィクションであり得る論理』が数行でまとまっていて、
これで全部つながった。とスッキリ嬉しくなったので、一部抜粋します。


ルネッサンスの西洋哲学者たちが気づいたこと)


 平面は空間の断面であり、空間はつぎの空間、すなわち四次元空間の断面である。
 この発想により、それまでは完璧に別ものだと思われていた多次元同士が
 より高次元の宇宙論的観点から見て、みごとにつながることになった。


 たとえば二次元の『平面』は、三次元の『空間』をも包括しているけれど
 『空間』は限りなく薄く存在しているために、その性格を見極めがたい。
 同様に、われわれの生きる三次元『空間』にも、四次元は薄い断面として
 存在するのである。
 素粒子のふしぎなふるまいから、宇宙空間のゆがみに至るまで、
 この<薄く存在する四次元>がなんらかの作用を及ぼしているのかもしれない。


・・・簡単だけど、じつに論理的でしっかりしたお話です。
これは、言ってみればものすごい免罪符というか、『オールOK』な概念で。
タイムトラベルは可能だし、神隠しはあるし、死者が別次元で生きているかもしれない
パラレルワールドの無限の世界は『四次元の薄い断面』の向こうに隠れてる。
魔法も超能力も使えてあり余り、イエスの奇蹟もヴードゥーのゾンビも、
三次元の世界で「信じられないこと」は四次元の作用なんだってことだ。


小さい時に『タイムトラベルは可能』という理論を、何かの本で読んで
そこでもこのような説明がされていたように思う。
その時以来、何はなくともタイムトラベルだけは可能なんだと信じていたけど
逆に理論から辿れば、どんな超自然もすんなり可能になるじゃない。。。
ぜ〜んぜん気づかなかった!アハハ。 


ところでこの抜粋文は、『サイキック』についての前段(!)なんですが、
サイキック能力(持ち物から、持ち主の情報を読み取るとか)って男性の10人に1人、
女性の4人に1人が持ってるんだそうです。
ん〜なんかすごいな、それ・・・。


神秘学マニア (荒俣宏コレクション) (集英社文庫)

神秘学マニア (荒俣宏コレクション) (集英社文庫)