ネオ・ファンタジア

きょうは「ネオ・ファンタジア」@東京都写真美術館へ。
イタリアの70年代のアニメーション映画です。
原題は「アレグロ・ノン・トロッポ」で、それってクラシックの楽譜にある『速く、
でも速すぎない程度に』よね?
なんでネオ・ファンタジアなんだ?と思ったら、ディズニーの『ファンタジア』と
同じことをやるよ!ってことだった。


「スラブ舞曲」や「牧神の午後のための前奏曲」「火の鳥」等、クラシックの名曲に
合わせて展開する6つのアニメーション短編集。
そして、オバちゃんのオーケストラが演奏する曲に合わせて、漫画家がこれらの
短編を書いてゆくという狂言回し的なベースストーリーがあり、こちらは実写の
ドラマ。この二つの世界が交互に出てきて、面白いんです。


アニメーションは、どれをとっても驚かされる、奇天烈な映像展開の嵐でした。
ドラッグでもやってるのかしら?と思うようなサイケデリックな大胆さと
繊細に考え抜かれたような物語とがいっしょくたになっている。とにかく凄い。
これはもう、何度でも観たい素晴らしいものばかりなんだけど、中でも圧巻なのが
ラヴェルの『ボレロ』の物語。
あの終わらないリフレインに合わせて『生物の進化』を描き、最後にはやはりあの曲
同様、衝撃的な終わりを迎えます。
ほんと、こう聴くと『ボレロ』の終わり方って超ビックリする。
心臓発作を起こしかねないショッキングな展開だよな・・・。ある意味実験音楽
スティーブ・ライヒと同じ地平線上にある気がする。同じコーナーに置くべき(?)


実写の寸劇部分が、これまたイタリア映画ファンの私にはたまらなかった。
チラシに『フェリーニのごとき』なんて書いてあって、これも劇場に足を運ばせた
一つの理由なんだけど、まさに後期フェリーニの世界。
まさに「オーケストラ・リハーサル」とか「インテルビスタ」「フェリーニのローマ
辺りの雰囲気があって、ちょっとまったりしつつも楽しいのです。


ということで、最高でした。もうすぐ終わるけど、刺激が欲しいかたは是非ね。
ネオ・ファンタジアの一枚ペラなHP(物足りないちゅうの!)→http://www.bozzetto.jp/


ところで東京都写真美術館、よく行くけど、ここで映画を観たのは初めて。
キャパはガーデンシネマ位で、ちょうど良い感じの小ささが良かったです。
しかし映画館じゃないにしても、予告編上映時、あんなに明るいのは初めてだ・・・。
まさか本編もこの明るさで上映するのでは?とビビりました。
ちゃんと真っ暗になったけど。