Hi-Tech Jazz:森羅万象の音楽

寒い。風邪が治らない。夜10時、家はすぐそこ。
疲れてるし、帰ろう・・・・いや、でも、やっぱり行こう!
会社帰り、自転車をとばして渋谷のタワレコへ。URの『CD』を買いにいきました。
よく母に言われました。「CDはいつでも買えるよ」
そう、その通り。明日でいいじゃない。でも止められない情熱ってありますよね?


レコードしか出さないURが、はじめてのCD「Galaxy2Galaxy」を出しました。
輸入盤では、出先の分からぬ謎のコンピレーションCDがあったり
DJミックスで音源は入手できるけど、公式にアルバムとして発売するのは初。
1stアルバム、二枚組。収録されている曲は、もういきなり『ベスト盤』ってわけで
レコードで持っているものばかり だとしても。この有り難さったらありません。
持ち運べる、音がよい、いやいや。何よりも嬉しいのは、これはURのアルバムであること。こんな当たり前の事に感動しています。


世界で一番好きな曲『Hi-Tech Jazz』を初めて聴いたのは、
メルボルン大自然の中でした。
『Earthcore』という老舗のレイブイベントで、ケンイシイさんがかけていて
あまりの美しさに我を失い、無自覚にぼろぼろ泣いていました。
とにかく今ここにいることが出来てよかった、この音楽と出会う為にここへ
来たのかもしれないとまで思いながらも誰の曲かも分からないまま、
いつかまた、どこかのクラブで再会することを夢見て一年後。
リミックス誌のコンピレーションCDを、まったく気を抜いて聴き始めたその時・・・
運命の再会。
やっと身元が判明した音楽を追って、起きた出来事や思い出は書けばきりがない。
こうして書くと、人と音楽の出会いは、それこそ人と人の出会いのように
膨大な確率統計の網を突破しているものだよな〜と思います。
デトロイトテクノを聴いていたら、遅かれ早かれURに出会うことは間違いなかった
でしょうが、たとえばその2年前、もしくは10年後に出会っていたらどうだったか
などと考えると。


このCDは一通りの選曲でありながら、ある流れというか空気があって、ここには
『クラブのヒット曲満載UR』ではなく、URそのものが放つ、驚くべき美しさがある。
やはり『アルバム』なんだな。と思います。
これを聴いたら、自分がURの何を好きなのかがはっきりしたので。
大ヒット曲「Jaguar」や「Stardancer」は入っていないけど、それはやっぱり
ここじゃない。出るかもしれない2ndアルバムに入るべき音楽なの。きっとね。
テクノを聴かない人も、これはぜひ聴いてほしいです。
あなたの世界観が変わるかもしれない。

A Hi-Tech Jazz Compilation

A Hi-Tech Jazz Compilation