カレル・ゼマン・ザ・ドリーマー!

akk2005-02-19

雨のお休み。
寒いし・・・今日はおうちで「カレル・ゼマン映画祭」(つっても2本だけど)
うちはオンラインDVDレンタル『ツタヤDISCUS』を利用しています。
先日まで上映してた「カレル・ゼマン レトロスペクティブ」
を見逃して、くやし紛れに検索してみたら、あったあった!
『幻想の魔術師 カレル・ゼマン』シリーズが全部ありました。びっくり。


という訳でまずは「彗星に乗って」「シンドバッドの冒険」の2本を。
いやもう、凝ってる!撮影、編集、どうやったの?と思うものもあるような
手の込んだ映像。
パソコンもCGもなく、特殊撮影にも技術の壁がまだまだある時代に
イデアと演出でこんな夢のような世界を作り出すなんてね。
作品を見るとチェコアニメの巨匠というより、メリエスの後輩・ハリーハウゼン
同級生といった感じ。そう、生粋のドリーマーってことだ。


「彗星に乗って」は、実写+アニメーションのトリック・フィルム。
彗星が地球に衝突し、街ごと彗星に乗って飛んでいくという物語。
彗星世界に恐竜が登場しますが、もうどうみても人形!かわいい!!!
・・じゃなくて、まだ恐竜がこの位の表現でしか出来なかった時代なんだな、と
改めて『技術の壁』に挑戦する演出家の力量を感じます。
そんな人形もあり、平面アニメの合成あり。
海底世界の映像は、その全てが投影され、夢のような世界を作リ出していました。
実写部分はまったり大味だけど、この『海底世界』を見るだけでも価値ありです。


シンドバッドの冒険」は、普通の平面のアニメ・・・と思いきや。
よく見ると、カットによって人物の絵が人形になったり、
かきわりの風景+人形劇みたいに人物の絵を動かして撮影したりしてます。
絵自体がもう、どのカットを切ってもポストカードにでもなりそうな絶妙なよさ!
たまりません。
シンドバッドの物語にある、独特のアラビアン幻想の世界がそのままありました。
意味もなく動物に模様がついてたりするんですが、水玉模様の馬が出てきたとき
にはキャー!と大喜びしてしまいました。
馬キャラの『Rody』ってこれが元だったのかな?そっくりそのまま。
証拠写真は右上ね。


カレル・ゼマンの作品は、おとぎ話のおとぎ話たるエッセンスを、完璧に視覚化した
ものだと思った。これは絶対に子供たちに観てほしいな!
こんな宝物のような映像、一部の大人だけが見るなんてもったいない。
ディズニーのように市民権を得てほしいし、TVでばんばんやってほしいです。
子供の頃に観た海外のおとぎ話映画って、強烈に残っているものね、今でも。


予告編を観ると、さらにガラス細工アニメーション!やクレイアニメもあり、
こいつは楽しみです。


幻想の魔術師カレル・ゼマン 彗星に乗って [DVD]

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