哀しみのベラドンナ

哀しみのベラドンナ」を観ました。
'73年、虫プロダクション制作のアニメーション映画です。
ちょっと、凄かった。衝撃を受けました。


悪魔に愛されて魂を捧げてしまった女性の物語。
横尾忠則のような、ぶっ飛んだアバンギャルドな表現が
シャガールの『夢の色彩』で次々と彩られ、
草間弥生の如く凄まじい女の悪夢がグルグルまわる…例えていえばそんな感じ。
美しく毒のある絵が展開する様は、寸分の隙もないコラージュのようで
まさにめくるめく映像世界。夢をみているような作品でした。
いい夢か、悪夢か?両方が襲ってくる。


確かに以前どこかのクラブで、この映像を見たことがある。
たぶんVJが流していたんだろう。
そうだな、この映像を切り出したら、1コマ単位で成立するアートマテリアルだ。
きっと何かテクノのイベントだろうけど、音楽とシンクロした記憶はなくて
逆に私がVJだったら何にあわせて流すだろう?と考える。


あ、モダンジャズだ。おそらくコルトレーンの『至上の愛』が一番合うな。
あの神聖で呪術的なアルバムには、この映画と同じ匂いを感じる。
悪魔に目隠しされて至上の愛が何だかわからなくなり、翻弄される女の話に
明かりが灯る。
あの音楽は難解でもなんでもない。


実際の本編には70年代の熱いロック(四人囃子J・A・シーザーのような)が、
そして、夜眠れなくなる戦慄の歌の数々が流れます。
本当に眠れなくなるんだよ〜!


至上の愛

至上の愛