急にいとしく奈良美智
夜。突然、奈良美智さんの絵をみたくなって
ABC六本木店に走る。
画集を開いて、みてみると…やっぱり!いや予想以上に
心が動く。絵の感じ方が以前と全然違う。
絵と私の距離は変わらない筈なのに。
ずっと前からよく知っていると思ってた人が、急にいとしくなったみたいだ。
なんでだろう?私、なにか変わりました?
好みが変わったか、気づかなかった所が見えたか、神の啓示か、思い違いか?
こういう時、理屈は無意味だ。ヨン様は言っていたな、
「好きになるのに理由はない。理由を言えるようでは、本当に好きではないんだ」
ヨン様、わたし本当に好きみたいだわ、奈良さんの絵が。
そんな訳で、発作的に奈良さんの絵世界にとりつかれて、じっくり絵を閲覧も
きりが無いので悩んだ末、奈良さんの自伝「ちいさな星通信」を購入した。
画家の自伝だ!と主張するような、画集風の装丁。
箱に入っていて、箱の中にはシルクスクリーンの動物がいます。かわいい。
中身は豪華なスクラップブックみたいな感じで、イラストや写真がいっぱい。
住居の間取り図、らくがき、聴いていた音楽…など、自分を伝える手がかりを
色んな形で表現している。もちろん、絵や造形作品を収めた作品集でもある。
全部有機的につながっての個人なんだから、こういう自伝をみんな出せばいい。
と思うほど、奈良さんの感性と人生の、全体的なイメージが伝わってくる。
奈良さんの絵は音楽好きの描く絵だ。と前から思っていたけれど
音楽歴を見るとロック系雑食人で、統一感がある。
奈良さんは、一本裏道に入ったら鳴っているような音楽が好きなんだろう。
作品の制作雑感を読むと、さらに、とても身近に感じた。
悩みどころとか、つくりかたとか。ものづくりは結局みんな同じなんだな。
画家ってのは音楽家と同様に、シャーマンだという感覚は変わらないけれど。
この本には、現在横田基地の傍に住んでいると書いてあって、ちょっと嬉しかった。
福生と奈良さんは、すごくお似合い。私は生まれが福生なので、あの地にこんな
素敵な画家がスタジオを構えて住むなんて、誇らしいよ。
- 作者: 奈良美智
- 出版社/メーカー: ロッキング・オン
- 発売日: 2004/03/31
- メディア: ペーパーバック
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きょうのクマ イッヒドイツ君
奈良さんが12年間住んでいたドイツ。奈良作品には関係ないですがご当地クマを。
このクマは芸術がテーマ。画家、音楽家、ダンサー、詩人(ゲーテ)がいます。
サブテーマはハンマーと鎌を持つワシ。ハンマーと鎌は、労働者と農民の象徴。
平和革命で再統一されたドイツを暗示しているそうです。
奈良さんはドイツ年には関わっていないのかな?