急にいとしく奈良美智

akk2005-05-06

夜。突然、奈良美智さんの絵をみたくなって
ABC六本木店に走る。
画集を開いて、みてみると…やっぱり!いや予想以上に
心が動く。絵の感じ方が以前と全然違う。
絵と私の距離は変わらない筈なのに。
ずっと前からよく知っていると思ってた人が、急にいとしくなったみたいだ。
なんでだろう?私、なにか変わりました?
好みが変わったか、気づかなかった所が見えたか、神の啓示か、思い違いか?
こういう時、理屈は無意味だ。ヨン様は言っていたな、
「好きになるのに理由はない。理由を言えるようでは、本当に好きではないんだ」
ヨン様、わたし本当に好きみたいだわ、奈良さんの絵が。


そんな訳で、発作的に奈良さんの絵世界にとりつかれて、じっくり絵を閲覧も
きりが無いので悩んだ末、奈良さんの自伝「ちいさな星通信」を購入した。
画家の自伝だ!と主張するような、画集風の装丁。
箱に入っていて、箱の中にはシルクスクリーンの動物がいます。かわいい。

中身は豪華なスクラップブックみたいな感じで、イラストや写真がいっぱい。
住居の間取り図、らくがき、聴いていた音楽…など、自分を伝える手がかりを
色んな形で表現している。もちろん、絵や造形作品を収めた作品集でもある。
全部有機的につながっての個人なんだから、こういう自伝をみんな出せばいい。
と思うほど、奈良さんの感性と人生の、全体的なイメージが伝わってくる。


奈良さんの絵は音楽好きの描く絵だ。と前から思っていたけれど
音楽歴を見るとロック系雑食人で、統一感がある。
奈良さんは、一本裏道に入ったら鳴っているような音楽が好きなんだろう。
作品の制作雑感を読むと、さらに、とても身近に感じた。
悩みどころとか、つくりかたとか。ものづくりは結局みんな同じなんだな。
画家ってのは音楽家と同様に、シャーマンだという感覚は変わらないけれど。


この本には、現在横田基地の傍に住んでいると書いてあって、ちょっと嬉しかった。
福生と奈良さんは、すごくお似合い。私は生まれが福生なので、あの地にこんな
素敵な画家がスタジオを構えて住むなんて、誇らしいよ。

ちいさな星通信

ちいさな星通信



きょうのクマ イッヒドイツ君


  
奈良さんが12年間住んでいたドイツ。奈良作品には関係ないですがご当地クマを。
このクマは芸術がテーマ。画家、音楽家、ダンサー、詩人(ゲーテ)がいます。
サブテーマはハンマーと鎌を持つワシ。ハンマーと鎌は、労働者と農民の象徴。
平和革命で再統一されたドイツを暗示しているそうです。
奈良さんはドイツ年には関わっていないのかな?