パウロ・コエーリョ 、そして七日目には…
創世記、神は七日間で世界を創った。
ノアが方舟に乗ってから七日後、世界に大洪水が起こった。
イエスは処刑されて七日後に、復活して天に昇った。
パウロ・コエーリョの「悪魔とプリン嬢」を読み終えました。
『そして七日目には…』三部作、完結篇です。
「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」「ベロニカは死ぬことにした」
そして「悪魔とプリン嬢」。この三部作は、それぞれ独立していて
普通の人に起きた『七日間』の出来事を描いた話。
ただの物語ではなく、その心の変化や、そこから出る行動が
まるで聖書の伝承のように一つ一つ大きな意味を持っている。
それはごく普通の人が、神と悪魔に直面して葛藤する物語だから。
コエーリョは主人公に、聖書にある七日間と同じくらい大事な七日間を与える。
「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」では、神の僕に恋をしてしまった女性の話。
「ベロニカは死ぬことにした」は、死を決意したベロニカの七日間。
「悪魔とプリン嬢」は悪魔の僕に賭けを持ちかけられたプリン嬢の物語。
タイトルからして重く壮絶な雰囲気をイメージしたら、それは大間違いで
かわいらしくも思える素直さで描かれている。
善と悪とはなんですか?ゆらぐ人の心が、魚みたいに物語を漂っている。
光をもとめて、七日目に水面へたどり着いた魚は…
世界は美しいといって泣くのか、ただ微笑むのか、それとも。
読んでみて、その七日間を体験してください。
- 作者: パウロコエーリョ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
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きょうのクマ マリア・ボニータ嬢
コエーリョはブラジル人。ブラジルといえば世界最大のカトリック国です。
両手を広げたリオデジャネイロのイエス像が思い浮かびますね。
しかしこのクマは、ブラジルの悪人とも善人ともとれるヒーロー、ランピアォンの
妻マリア・ボニータのドレスを模した絵だそうです。
ランピアォンは、1920年代に実在した山賊。金持ちだけをねらい、貧しい人々に
施し、警察の手を何度もかいくぐったブラジルのねずみ小僧。
最後は警察に殺されてしまったけれど、伝説化され、愛されているそうです。
共に生きたマリア・ボニータは気高く美しい女性の象徴として、現代でも
ダンス衣装では、彼女の服をイメージしたものが着用されたりしているらしい。
ランピ&マリアは、ブラジル土産でよくみる帽子を被った男女像。
あれなんですってね。