パウロ・コエーリョ 、そして七日目には…

創世記、神は七日間で世界を創った。
ノアが方舟に乗ってから七日後、世界に大洪水が起こった。
エスは処刑されて七日後に、復活して天に昇った。


パウロ・コエーリョの「悪魔とプリン嬢」を読み終えました。
『そして七日目には…』三部作、完結篇です。
「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」「ベロニカは死ぬことにした」
そして「悪魔とプリン嬢」。この三部作は、それぞれ独立していて
普通の人に起きた『七日間』の出来事を描いた話。
ただの物語ではなく、その心の変化や、そこから出る行動が
まるで聖書の伝承のように一つ一つ大きな意味を持っている。
それはごく普通の人が、神と悪魔に直面して葛藤する物語だから。
コエーリョは主人公に、聖書にある七日間と同じくらい大事な七日間を与える。


「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」では、神の僕に恋をしてしまった女性の話。
「ベロニカは死ぬことにした」は、死を決意したベロニカの七日間。
「悪魔とプリン嬢」は悪魔の僕に賭けを持ちかけられたプリン嬢の物語。
タイトルからして重く壮絶な雰囲気をイメージしたら、それは大間違いで
かわいらしくも思える素直さで描かれている。
善と悪とはなんですか?ゆらぐ人の心が、魚みたいに物語を漂っている。
光をもとめて、七日目に水面へたどり着いた魚は…
世界は美しいといって泣くのか、ただ微笑むのか、それとも。
読んでみて、その七日間を体験してください。

悪魔とプリン嬢

悪魔とプリン嬢



きょうのクマ マリア・ボニータ

コエーリョはブラジル人。ブラジルといえば世界最大のカトリック国です。
両手を広げたリオデジャネイロのイエス像が思い浮かびますね。
しかしこのクマは、ブラジルの悪人とも善人ともとれるヒーロー、ランピアォンの
妻マリア・ボニータのドレスを模した絵だそうです。
ランピアォンは、1920年代に実在した山賊。金持ちだけをねらい、貧しい人々に
施し、警察の手を何度もかいくぐったブラジルのねずみ小僧。
最後は警察に殺されてしまったけれど、伝説化され、愛されているそうです。
共に生きたマリア・ボニータは気高く美しい女性の象徴として、現代でも
ダンス衣装では、彼女の服をイメージしたものが着用されたりしているらしい。
ランピ&マリアは、ブラジル土産でよくみる帽子を被った男女像。
あれなんですってね。