WR・オルガズムの神秘

ふう。知恵熱出そうだ…。
今、ある論文を読んでいて、3回目でようやく頭に入ってきた。
この仕事をしていると、時々こういう全く未知の分野の事を、短時間で理解して
人に教えられる位までにならなきゃいけない時がある。
同じ人間が考えたことだから、私に理解できないはずはない!
というポリシーで臨んでも、専門的な学術論文になるとやっぱり時間がかかる。
しかし不思議なもので、ちんぷんかんぷんのようでも、ぼけーっと見てると
分かってくるのよね。理解したら次は、私なりにアウトプットしないと…。


という訳でドゥシャン・マカヴィエフの『WR・オルガニズムの神秘』をみる。
フロイトと共にオルガニズムを研究し、性のエネルギーを発見したという
イリアムライヒ博士の映画らしい。
何か参考になるかな(ならないって!)と思いながらも見ました。
マカヴィエフって発禁状態で、私が学生の頃にやっと上映されて『スウィート
ムービー』を見た記憶がある。なんかゴダールみたいだなという印象があった。
『WR〜』を見たらやっぱりその感覚は変わらなかった。
ちょっとぞっとするような、オルガズムの実験風景。声高に性革命を叫び、
共産主義よりもフリーセックスを!と唱える男女のドラマパート。
そして博士をめぐるモノローグ。セックスを反権力としてとらえていて、
暴発寸前の70年代の風潮が感じられる。どんどん政治によっていく。
研究自体をつきつめて描くかと思っていた私の参考にはならなかったけど。
映画でたたかう映画、久しぶりに見た。エロビデオじゃないよ!


きょうのクマ セルビア・モンテネグロ
  
マカヴィエフは旧ユーゴスラビア人で、こんな発禁映画を撮ったからって
アメリカに渡って活動せざるを得なかった監督。
ユーゴスラビア解体前、ここで「モンテネグロ」という映画を撮りました。
このクマさんは…悲しい。見ていて胸がつまりました。紛争の象徴だと思った。
解説を訳すとこういう事でした。


西ヨーロッパでは、クマは動物園や紋章のサインとみなされる。
自然の中にクマはいない。いつ、なぜ、クマは消えたのか?
数ある答えの1つ。ある時代、私達は彼らを愛していなかったのです。
クマがポリエステルで出来ている今、人々はクマに対する愛情を知りました。
たくさんの植物・動物の種が、日々消えていく。
異なる文化、異なる社会の構造、異なる人々。私達はお互いを許していけますか?