ハリウッド・エンディング、またはウッディへのラブレター

ウッディ・アレンの「ハリウッド・エンディング」を観ました。
邦題「さよなら、さよならハリウッド」 いかがなものか!と
観た後感じて、原題で呼ばせていただきます。


ウッディ・アレン 大好きです。
これは多分(映画監督として)特殊な愛し方かもしれません。
悩んでこまって、訳も分からず走ってぶつかって、転んで怪我してワッハッハ
・・・というウッディの映画が大好きだ。
どたばたと続く日々の中に紛れて、きらっと光る大事なものを
ウッディは決して見逃さない。その光を追って右往左往、小さな体で体当たり。
私達はワッハッハと笑いながら、それが微笑になり、時に泣き笑いにもなる。
ウッディほど素直な監督は、めったにいない。


それで、「ハリウッド・エンディング」
ハリウッドへの決別表明か?んなわけないじゃ〜ん。
ハリウッドで仕事する監督 という設定の中だから有り得るコメディを
やっています。
そしてそこには、もう何かを超越したような素直さがありました。
笑ってしまいます。そこで原題を思い出します。ハリウッド・エンディング。
この映画は、ハリウッド・エンディングを多く観てきて、かつそれを憎めない
と思う映画好きの方にこそ観ていただきたい!
「心が温まる」「感動作」「大団円」ばんざい!なんて言わないけれど
ウッディは、ハリウッド・エンディングへの思いを自分の音色で表現したのかも
しれないし、ただ出来上がったらこうなっちゃった!だけかもしれない。
どっちだっていい、これはウッディの映画だ。
その一つ一つ、どっからどうみても、この人にしか作れないもの!


それは何をやっても同じ音になるセロニアス・モンクや、
いつになっても変わらない「ジャカジャーン」を出すコレクターズと同じ。
私は長々と愛している。ウッディ、ラブユー!


映画館で観終わってから覗くのだ!イカシた公式HP(スチルが超きれい!)
http://www.nikkatsu.com/movie/sayonara/