ミリオンダラー・ベイビー

とある国、ある場所、一つの建物があって
今夜ここで、強い閃光が走って消えた。


夜空に大きな流れ星が現れて、消えていくのを神様の代理人が見届ける。
あれは何?
グレイト・スピリットだ。


この映画は、神の目線でつくられている。
私達はその目が見つめた、魂のドラマのゆくえを観る。
冷静になった今、そのように感じます。
しかしこの映画が凄いのは、神の目と手を感じさせていることだ。
大きな手が、ふわっと触れるような感覚を。


前作の「ミスティック・リバー」や
ショーン・ペン監督作の「クロッシング・ガード」
例えば、ぱっと浮かんだこの二本は、神の目がそばで見ている。
人がぶつかり合って、血を流し合い、手を握る。
終わらない憎しみが終わるのを見つめている。


神様は泣いたりするんだろうか?
たぶん泣かないだろう。ただ、手をかざして愛を伝える。
赦し、癒し、包み、そうやって人を抱きしめるようにする。その『手』


ミリオンダラー・ベイビー」は、モ・クシュラの映画だ。
モ・クシュラって何?
調べちゃだめ、映画を観て、あなたが持つ『全身』で感じてください。