人んちのレコード

土曜からだらだらと、友人の家で過ごしていて
いつもこの子んちに遊びに行くと、いっぱい音楽を聴かせてくれる。
なんつうか、好みがド被りな訳じゃないけど、いいね!だめだね!の判断基準が
わりと近くて、感覚が似てるのかな。にしてもいつも、私がノーマークなものを
次々と出してくるから不思議だ。
昨晩の出会いはSLAP HAPPYという70年代のバンドで、聴いててなぜか無性にケイトブッシュ
を思い出して、ケイトの新譜をもってくればよかった・・・と後悔しつつ寝た。


最近私は、何度目かわからないけどまた龍一(さかもと)大フィーバー中で
新譜『05』をはじめ、色々な龍一を持ち込んで聴かせたのだけど
それの返事みたいな感じでその子は、バッハのブランデンブルグ協奏曲のLPをかけた。
ジャケ買いしたって・・・あなた、こんなの持ってたの!?
って、長いつきあいで好みもだいたい把握してるつもりでも、人んちのレコード棚は
その人なみに奥深いというか、知らないものがいっぱい隠れてるんだなあと思う。
バッハは数学的だね、と言われて改めて聴いてみると、きれいな数式が次々と
浮かんでくるようで。そうか、あの完璧な整理整頓感は数学だったのか・・・と思った。
↓たしかにジャケは可愛いバッハのLP

午後、友人がまたひとり、昔の日本盤洋楽EPを大量に持って現れた。
ジャケットのデザインが、今みるとなかなかおつなものばかりで
Tレックスの「メタル・グウルー」(グウルーって・・・声に出して読んでみよう(笑)
やシカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」、エルトン・ジョンの「ダニエル」
ボウイとミックがラブラブ時代の2ショットライブ音源「ダンシング・イン・ザ・
ストリート」(こんなのEP化されてたのね!)等々。カタカナでアツいフォントで、
洗練された今じゃ絶対思いつかない配色やデザインがいっぱいで。

それでこの辺りの音って、やっぱりアナログで聴くのがぴったりだ!
それから・・・AMラジオ。
学生のころに両親についてのドキュメンタリー映像を作ったとき、当時の音源を捜して
母親が録音したAMラジオのカセットを聴いたんだ。70年代の音、まさにシカゴに出会った
のもこれだった。アナウンサーの生真面目な曲紹介も、音の悪さも、音楽にぴったり
合ってて、独特な空気を感じた。このAMラジオに収まると、THE WHOですらいつもと違う。
一つの時代の空気にとけている。「それでは聴きましょう。ザ・フー 無法の世界です」
ああ!どんなにデジタルリマスターしたって、これにはかなわない!
それでその音源を、当時のカセットデッキで再生してわざわざマイクで拾って
録音しなおしたりした。そんなめんどくさいことしなくても・・・MAで加工すればいいじゃ
ん、と今の私なら思うんだけど。でも、たぶん今でも同じようなことしちゃうんだろうね。

バッハに続き、またも友人が謎のレコードをひっぱり出してきた。
朝日ソノラマ クリスマスプレゼント」という、昔のソノシート付きの小冊子。
クリスマスファッションに身を包んだモデルの写真、ファッション特集のおまけかな?
雑誌の中央に穴が開いてて、雑誌ごとプレーヤーにかけて聴く!という衝撃的な仕様で、
経年で雑誌自体が歪んじゃって、ろくにかからなかったけど・・聖歌が入ってたみたい。
まったくこの子は、なんでこんなもん持ってるのよ・・・。
更にご自慢のレコードは続き、ハンガリー舞曲のEP盤まで出てきて、これもジャケ買いだっ
て?そうね、ジャケは超かわいいんだけど・・・。(バッハの隣のEPね)
もう、これだから人んちのレコードはやめられない!


家んちのレコードより↓アナログで聴いたらぴったりなやつ

映画「ニューヨークストーリー」のスコセッシ監督作で、大音量で流れているのを観て
すごい大きな音で!レコードで!聴きたい!と憧れて買った。
ディスクユニオンで100円(笑)いえい!