Today#9 悪い夢、はじめての金縛り?

悪い夢はたまに見るけれど、今夜は・・・ちょっとしたホラーだった。
怖いのが嫌いな人は、今日の日記は読まないで。なんちって。


薄暗い私の部屋で、がたがた音がする。
廊下に出ると、きちがい女が腕を組んで立っていて
誰かが私を執拗に探している、と言う。
ベッドに入ってうずくまっていると、玄関ドアの新聞受けに手紙が入れられる。
手紙は入れて、出して、入れて・・・と何度も出し入れされて、キイキイ音をたてている。
その手はうっすら、新聞受けから透けてみえる。
私はベッドの中で、ただ黙って布団を被っていると、いきなり『桃太郎侍』の鬼のお面
みたいな怒り顔の鬼が、すんごい勢いで落ちてくる。
鬼のお面はがんがん近づいてきて、私の心臓は苦しくて苦しくて、息が止まりそうになってくる。
半分目覚めていて、本当に心臓がおかしくなっていた。動悸がだんだん減って
脈が止まりそうだ。苦しい、体がじんじんして息ができない。
蚊の鳴くような声でやめて、と言うのが精一杯で、気がつくといつもの部屋だった。


これが金縛りってやつか?
起きながら思った。これが金縛りだとしたら、やっぱりそれは体の状態が生み出す妄想だ。
私はそう思う。幻覚。
脳はだいたい、『夢』なんていうとんでもない世界を勝手に展開しているし
ちょっとした薬品や草がもたらす作用で、ありえない身体機能を発揮させてしまう。
金縛りみたいなものは初めてだけど、例えば寝る姿勢の偶然かなにかで、体の中のどこかが
刺激されておかしなトリップを引き起こした、とか。
脳のランダムなルーレットが、たまたま今夜、音や普段抱える悩みや不安をめちゃくちゃに
ミックスして体に作用した、なんてこと。


悪夢は心の毒出しで、自分が閉じ込めていた負の感情を外に放出する作用がある、と
何かで読んだ。ごみを捨てるように、毒を捨てる。心にたまった悩みや不安を大掃除する。
だから悪いことじゃない、いいことだって。
脳なのか分からないけど、自衛本能のはたらきのようで、妙に納得して安心した。
それからというもの、悪夢をみてもブルーな気分にはならなくなった。
でも、本当にそう思わない?私はごみを捨て終わってスッキリだ。


夢は人間の超能力のひとつで、だから夢診断は『夢が象徴するもの』が予言だったり
精神状態の判断材料になったりする超心理学だ。登場するものや人、言葉のすべてに意味がある。
私はそれらを信じてるけど、今思った。それって、現実もそうだね。
ムダな出来事や登場人物や言葉なんてひとつもない。それで唐突に何かが起きる、日々。
なんて思うのは「僕のニューヨークライフ」を見たからだ。きっと、そうだな。
こんなことを笑いにするなんて、ウッディはやっぱりすごいね!