Listening to you I get the music.

ブロードウェイミュージカルなんて、初めてです!
きょうは、THE WHO'S TOMMY@東京厚生年金会館へ行ってきました。
日本で観られるなんて、絶対にないと思ってた。いつか、アメリカへ観に行く気だった。
オフでもオフオフでも構わないから。私の夢の一つだった。それが新宿だって!?
トミー、私とっても嬉しいよ。来てくれてありがとう。


長年愛し続けている音楽がこんな風に、舞台という場で視覚化される光景は
なんというか本当に・・・おもしろい!
舞台にTHE WHOは居なくて、でも生演奏で凄腕のミュージシャン達によって
しっかりとTHE WHOのロックンロールが演奏されまくっていて、ミュージカル俳優達が歌い踊る。
音楽そのものに違和感を感じるんじゃないか、私が懸念していたのはその一点だけだった。
いやいやこれが。ぜんっぜん!この事実に我ながらびっくりだ。
私は本当にTOMMYが大好きで、THE WHOのライブでTOMMYのナンバーが収録されていると、
スミからスミまで聴き、何度も繰り返し聴き、
究極の「See me,Feel me」はこのバージョンだとか、細かいところまで熱狂していた。
今回は演奏者がまるで違うってのに、違和感が何もないなんて、なんで!?と初めは不思議で仕方なかったけれど。
オリジナルスコアってこういうことなのか。THE WHOの情熱がまるまる譜面になり、
継承されていくってことなのか。そうかそうか。素晴らしいじゃない!!!
なんていう当たり前のことにすっごく感動しちゃってね。


ロックオペラ、ミュージカル、全編にわたってTHE WHOの音楽がDJミックスみたいに止まらずに流れる。
それでひとつの物語が次々と展開する。ミュージカルってそういうもの、って頭では分かっていても
これが大好きなTHE WHOの音楽となると、もう・・・ほんとに至福の時間!
当たり前だけどオリジナルアルバムと曲順が違っていて、その並び方に沿って展開するストーリーテリング
わくわくしちゃって、次はなにかな?どうなるのかな?ちゃんとこの曲も演出するのね!
うわーい嬉しい、超おもしろい!
映画の「TOMMY」はやっぱり映画で、あれは音楽がTHE WHOでロジャーが主役だった。
あれはあれで、THE WHOの音楽世界が視覚化されたモノスゴイものなんだけど・・・
これはTHE WHOと関係ないところで舞台が進行していて、でも表現するものはそのもので。
まるでドラマ仕立てのビデオクリップを見ているようでもあるし、物語の新しい解釈、視覚的な表現が
TOMMYを分かりやすく、さらに素晴らしくしている所もあったし、なんていうか私が感動したのは
TOMMYがこうやって多角的に広がっているんだ、ってことだった。
ラストシーンはどのTOMMYともちょっと違って、観たときは不意打ちで戸惑ったんだけど
あとで思った。
身一つになったトミーの全身に溢れたのは心が奏でた音楽だ(たぶんそういうこと。)
Listening to you I get the music.
超訳します。
あなたの声を聴き、わたしの心は音楽に満たされる。
これが愛です。なんてやさしい。だからTHE WHOが死ぬほどスキなんだ。


私がザ・フーに出会ったのは中学生のころ、もちろん「マイ・ジェネレーション」から聴いた。
60年代の勢い溢れるモノラルミュージックを渇望していたころ、当然の出会い。
うんカッコイイ!次に聴いたアルバムが運命のいたずら、たまたまレコード屋にこれしかなかった、
それが「TOMMY」
どう考えても聴く順番おかしいかもしんない。普通なら次は「Odds&Sods」や、せめて「Live at Leeds」
あたりでどうかしら、と大人の私なら薦めたくなるところです。
だけど私は天啓を受けたみたいに、自分の運命はこれで決定してしまったみたいに、
完全に心を奪われて動けなくなって、何度聴いたってどうしたって「TOMMY」のすべては
私のすべて、みたいに自分の心身と切り離せなくなるほど取り付かれてしまった。
輸入盤で歌詞の対訳も無かった、でもこう感じた。『やさしい、なんてやさしいんだ!』
音から深い慈しみと、弱さと強さを包む大きな光を見てしまった私は
THE WHOに一生ついていく。少なくともTOMMYはきっといつまでも聴き続ける。と強く思った。
そうしてロックスターのひとつだったTHE WHOは、私のもう一人のお父さんになった。


「TOMMY」のミュージカルをみんなに薦めるかというと、個人的すぎて何もいえない。
ここをみているかたなら、きっと気に入ってくれると思うけれど、でもそれは万人に
「TOMMY」のアルバムを無理やりにでも聴かせたいってわけじゃないのと同じで。
そうだな、でもあの音楽をあげたい。せっかくあんなものが新宿に来ているんだから。
やっぱ、観にいって!
公式サイト→http://www.tommy2006.com/

ロック・オペラ“トミー”

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