Today#45 アンド・スルー・ザ・ワイヤー

ipodの中身はしょっちゅう入れ替えるけど、どうも消せない自分の中のクラシックスってあります。
それはひたすら好きな曲という要素だけではなくて、
聴きながら外にいて、感覚的に合うもの。
かつ、MP3のうすい音質に合い、街のガヤと混じっていい具合に感じるもの。
嬉々としてipodに入れても、あれ?って違和感のでる音楽って意外と多くあるんだ。
がっちりヘッドホンでもつければ、また違ってくるんだろうけど・・・


きょうは購入時からずっと入ってる曲「and through the wire」の話。
ピーターガブリエルの3枚目のなかの曲で、このアルバムは超絶大好きなんだけど
全部好きなのに、この曲だけがipodにいつもいる。
街のガヤ音に混じって、カブ様の声が聴こえるというのはかなりおつな感覚で、疲れた時に
静かな曲なんか流れちゃうと泣けてくるんだけどね。
でもなぜかこの、微妙なバランスで成立してる曲が。
これね、知らない人がほとんどだと思うので書くと、ギターがポールウェラーなんです。
なんで!?謎の交友関係っていうかこの夢の謎共演は一曲ポッキリなので、
どういういきさつで、その後どうなのか?全然わかんないんだけど。
多分ピーターガブリエルの中で一番好きな曲のひとつ。でもこれは、ガブさんの王道ではない、
めずらしい曲だと思う。
ポールウェラーの現実感ある路上の音が、ガブ様のインナーワールドを現実的に、身近にしている。
だからか外で、無防備になっている僅かな時間に、すんごいせまってくるのよ。
街を一人で歩いているとき。


思えばウォークマン時代からいっしょに外を歩いていた、ポールさんガブさん。
あの頃はインターネットもメールもなくて『スルー・ザ・ワイヤー』のコミュニケーションは
TVと電話しかなかった。
この歌の熱さには完全にやられたけど、歌詞は半分しか理解できてなかった。
何度も訳してみたけれど、どうしても抽象的になってしまう。


きょうはなんとなく、意識してその歌詞を聴いててふと、これってネットの海のなかの
恋愛の歌じゃん!と思ったの。
鮮烈に浮かぶのはもちろん攻殻機動隊の、ネットの海に消えたモトコさんと、彼女を愛するバトーさんの熱さ
(ビジュアルイメージはさておき、歌詞と熱の度合いは『イノセンス』とほぼ同じ)
それは極端な話だとしてもだ。
ネットでなんでも、どうにでも、どこまでも、スルー・ザ・ワイヤーのコミュニケーション手段は広がった。
先取りすぎだよガブさん。あなたの表現したことが、今になって具体的な環境になって成立しているなんて!すごいねぇ。
ネット恋愛中の人はぜひどうぞ↓ なんつってうそうそ。でもホントかな。

III(紙ジャケット仕様)

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