Today#102 以心電信 

ワールドカップ、ピアノの練習、読書に音楽、いやいや仕事、考え事・・・。
気がつくと日記の筆が止まってた。


最近、一つの物語をずっと考えていて、ちょっと途方に暮れていた。でも熱は熱い。
今取り組んでいる物語には、ラストの一つの言葉と、物語の進行方法だけが強烈にある。
その進行方法自体が、伝えたい事そのものだ、うーんなんか難しい。
文学って自由だ 自由すぎて・・・難しい。
こうやって考えている時、その答えやヒントを示すキーが生活の中をふっと(目に付くように)横切って
あっ と驚く時がある。
心は波のようにとめどなく動きつづけるから、いやってほど知っているものからでも
突然雷に打たれたように、あっ を受け取ることがある。
きょうは『以心電信』の話。


今日は帰り道、地下鉄に乗った瞬間に
ipodに入りっぱなしで全くシャッフルされてなかったYMOの「以心電信」が聴こえて
一瞬で、私の足許からうわっと世界が変わった。
じめじめして混んでる地下鉄の風景が、目の前から消えていく。スッと足許から、白い水の世界が広がり
私の足の下、白い世界はぐるぐると動いている。地球は回ってる、その上に立ってるように。
YMOは、See how the world goes round 世界がどう回るのか見なさい と歌い続ける。
その後こう言った キミは君自身を助け、そして誰かを助けるだろう。


この曲に出会ったのは、実はけっこう遅い。高校生の頃。
卒業後の進路に悩んでいた時期で、この『See how the world goes round』に背中を押された。
あ、悩んでそうでいて、答えは出ていたんだ。はっきりそう思った。
心のフィルターを取って世界を見よ。 見てみたら、何もかもクリアだった。
だから私はこの歌が本当に大好きだ。
でもね、その後に続く「キミは君自身を助け、そして誰かを助ける」の意味はわかってなかった。ずっと。


この歌でYMOが何度も言ってるのが、もう一つ。
「生まれたままに生きてる自分を愛してみよう」といいます。
自分を愛するのはむずかしい、どうしようもなくねじれっ子の自分は、素直になるのも大変むずかしい。
素直に自分を愛するなんて、この上なくむずかしいよ、細野さん!!!
別に素直な女の子になって、自分を愛せるほどの自分になろう、なんて一言も言ってないし
心のキズを舐めるように、自己愛を深めよとも・・・んなことYMOが言うわきゃない。
でも自分をどう愛したらいいか?全然わからない。もしかして永遠の謎なんじゃないか?
・・・と思っていたのだけど、今夜気がついた。そんなに難しいことじゃないや。


ただ世界の中に存在する『自分』をYESとする、ということだ、そして世界もまた、自分にYESと言っている。
だから今生きてる。その事実を受け入れる。ねじれっ子でもアウトローでも、そんな事どうでもよい。
自分をYESとすると、同時に誰かもYESとなる。誰かとは世界のことで、例えばあなたのことだ。
それがつまり「君は君自身を助け、そして誰かを助ける」ってことかと思って。
これってオノヨーコさんの作品『YES』と全く同じじゃないの!
そして「以心電信」について坂本龍一は、この曲はまるきりビートルズだと言っている。偶然か作為かはわかんない。
確かなのは、バラバラにスタジオ録音した「サーヴィス」の中で、この曲だけがYMO3人で作った最後の共同作業
だったってこと。
「以心電信」はYMOからの、電気の振動を通した、私達へのラブレターだったんだな。
と思ってすごく嬉しくなりました。ありがとうYMO

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あっそういえば最近、バンドのYESに今更ながらはまってるけど、これはきっとYES違いだね・・・。