Today#109 神様のボート

今、江国香織の「神様のボート」を読んでいるところ。
本を読み、感動したりすごく共感したりすることって多々あるけれど
単純に(似ている)と思うのは初めてで、ちょっと不思議な感じがする。
その物語は或る母子家庭のお話で、母と娘、どちらも自分によく似ているので
感覚が?
私の知らないところで、私が別の運命にころがされて、生きているみたい。
同じ私がね、別の場所で生まれて生きる、平行世界。
これ、共感とはちょっと違う。自分のコピーロボットの日記を読んでいるような感じ。
江国さんの本を読むのは初めてなので、江国さん自体が私に近い方なのか、この物語だけ
似ているのか、ちょっと分からないんだけど。
この本、完全にジャケ&タイトル買い。表紙の写真がみょうにひっかかるので買ってしまった。
文庫の帯をとった時、これがホンマタカシの写真だと知った。
そうか、そうか。ほっとするわけだ。


母と娘、どちらも自分に似ていると書いたけど、だからか
読んでいると、親子はこのように似るのだな と冷静にみえてくる。
娘なんか、もうほとんど覗き見されてんじゃないかと思う位に、言動が小学生の自分に
そっくりで参ってしまう。似たような風景と感覚がくっきり蘇る・・・忘れてた。
母のほうが、年齢的には今の私に近い。
子供を産んでいないから、分からない感情もあるけど、まあぁよく似ている。
(でも私の母にも似ている。父親に対する愛し方なんかそっくりだ。結局私はまだ娘ってわけ)
以前「アメリ」を観た時、なんていうか一番バレたくない部分を見事に映像化されてしまった
感じがあって、何ともいえない、うわー!(超赤面)って気持ちになったのだけど
この本を読んでいて、これもまた同様の強いバレ感があるのに「アメリ」のように
ひえーやめてーこんな公共の媒体にー!!!
という風にはまったく思わないわけです。それよりも、あれこんなビデオ撮ってたっけ?と
きょとんとして、ホームビデオを観ているような感じで、本を読んでいます。変なの。


これ、私以外の人が読んで、わかるのかなこの感じ?どうなんだろう
これって普通に共感できるものなんだろうか?と冷静さを欠き疑問を抱きつつ、はまぞうします。

神様のボート (新潮文庫)

神様のボート (新潮文庫)