Today#113 デヴィッド・ボウイ

ラジオで、クイーンの「Under Pressure」が流れていた。この曲とても大好きだった。
でも本当に久し振りにちゃんと聴いた。いい曲だなあ、たまんなくいい曲だ・・・
音が、幽体離脱したゴーストの私が、すっと自分の体に戻ったみたいに、
ぴったりと私の中にはまった。
この歳になって聴くと、こどもの頃の(この曲好き)とは全然別モノの感情がおそう。
胸にせまり、せまりくる万感の思いがこみあげてきて、どうなったとおもう?
笑いたくなっちゃったんだよ。嬉しくて嬉しくて。
音楽は人を幸福にするね。


クイーンの、と書いたけど、そのあとラジオはこう言う、
 クイーン&デヴィッド・ボウイの「Under Pressure」
こどもの私は大きな勘違いをして、あれはフレディとメンバーの誰かがうたっている歌だと思い込んでた。
私はますます大笑いしたくなってしまった。あら、あら!ボウイさんだったの。
クイーンにしてクイーンに非ず、あの歌はそう言われたら、両者の100%が二乗して1000になったみたいだ。
レコード屋に向かう道すがら、迷ってた。クイーンとボウイ、どちらのCDにもこの歌は入っているから。
もうそろそろ、クイーンのベスト盤ぐらい、CDで持ってもいいんじゃない?と思いながら
野生のわたしがレジに持っていったのはボウイのベスト盤だった、あれっ?
それで今夜はデヴィッド・ボウイに射抜かれた!今更なにを、いまさら。
でも凄い感動しているんだよ、本当に素晴らしい。ドキドキしている、いい曲ばかりで。
こんなに胸にせまる日がくるとは。まいっちゃうなぁ。感動がとまらないよ。


断片的に、ボウイの音楽に出会っている。
子供のころは「レッツダンス」や「チャイナガール」で歌い踊っていた(らしい)し
中学生になると、歴史的名盤にエントリーされまくっていた「ジギースターダスト」や
アラジン・セイン」なんかを聴いてみた。
高校生の頃はティンマシーン。それに折々の映画館でボウイに出会う。
ニコラス・ローグ映画祭で見た『地球に堕ちてきた男』、ミュージカル映画特集へ行けば『ビギナーズ』
レオス・カラックスの『汚れた血』だって、主役はほとんどボウイの「モダン・ラブ」だった。
書けばきりがないなあ・・・。でも熱狂的に大ファンってわけじゃなかった。大好きだけども、
骨身にしみる感動をとらえられてなかったんだとおもう。多分、断片的にしか。
今日はそれらの、まんべんなく私の思春期を横断してきた横糸を、一本の縦糸でつないじゃった!

ベスト・オブ・ボウイ(3ヶ月期間限定)

ベスト・オブ・ボウイ(3ヶ月期間限定)

ベスト盤は『縦糸』の役割を果たすんだなぁ・・・と初めて思った。
この2枚組CDを聴いてると、自分のなかでタペストリーが織りあがるように、隙間なくつながり、編み、
模様を成していくの。
そして現在に近づくにつれ、この人のスケールの大きい叫びを受け止めると(それは大きな火の玉みたいだ)
熱く魂こがされるんだよ、生きていて良かった、と思う。
どうしてずっと近くにいたのに、こんな大事なものに気がつかなかったのかな?
ああでも、気がついて良かった!


こんなに素晴らしい音楽が世界中で、ものすごく多くの人々に愛されているなんて
世界は捨てたモンじゃない。私はただ嬉しい。