Today#136 伊東豊雄 建築|新しいリアル

久し振りにオペラシティアートギャラリーへ。
伊東豊雄 建築|新しいリアル」展 見てきました。面白かったな。
伊東さんの建築の概念『エマージング・グリッド(生成するグリッド)』
これがとっても理に適った美学でね。
グリッドは均一で、細かく立体の曲線に沿って形をつくってる。
そのまんま、どんどん増殖してすきな形に変わっていく。
たとえば、建物を作る場所の地形層を基準に、周囲の環境とその土地にすんなり収まる建物をつくる。
新しい建物を含めてその土地全体をグリッドすると、平らというかなんの違和感もない。
どこまでが建物で、どこからが周辺環境なのか、境目がないような。
変わった立体パズルみたいだ。


会場には建築模型が9つ。
きっと建築やってると思われる熱心な人々に紛れて、しげしげと見てきました。
見れば見るほど、いやーなんかすごいなぁ。じつに考え抜かれた建物だな。
ばかっぽいけどそんな感想ばっかりでてきます。建物の中を歩いてもわかんない、
1Fでお茶してたら気づかない、でも全体を見るとすごく効率的で、芸術的。
バックミンスターフラーの模型を思い出しました。曲線はイカシてて、すべて意味がある。
環境に、デザインに、生活に。生活というのは過ごしやすさと、心を潤わせる美、2つの効果ね。
伊東さんは舞台設計や展覧会会場デザインも手がけている人で、この展覧会でも、自らの作品を
あっと驚くような曲線世界の中に展示させています。靴ぬいであがるんだよ。
この曲線世界を堪能すると、大きなスクリーンで建築物のドキュメントが流れています。
短いのでぜひ全部みるべしです。伊東さん自らがたてもの探訪して語っています。
建築風景はどれも面白いけど、やっぱりせんだいメディアテークのドキュメント映像は圧巻で
建物が建っていく過程をみていると、なんだか段階ごとに、全然違う建築物に見える。
そして、完成した光のチューブの建物はほんとうに見事で…ああやっぱり、東北旅行のときに
一瞬でも立ち寄ってみればよかった…。と後悔するのでした。
最後は伊東さんの年表。横一面に広がるパネルの中に、TVモニタ埋め込みあり、当時の雑誌あり
手書きの生原稿やスケッチがぽんとあり、という大変な情報量の年表でした。
当時の雑誌はかなり熱心にみた。伊東さんの記事を読むと、客観的にみた建築物の評価もわかったし
関係ないけど、昔の建築業界の広告もいっぱい見られて面白かったな。


私は仕事場が銀座だから、伊東さんの建築といえば「銀座ミキモト」が一番身近な存在で
昼ごはんがうっかり夜になっちゃった時、街角でばったり、美しく発光するミキモトを見かけると
とろけそうにほっとして、癒されます。夜の輝くミキモトビルは本当に綺麗で、みとれる!


展覧会インフォこちら↓
http://www.operacity.jp/ag/exh77/