スタンピングウサギの風景

akk2007-04-17

友人宅のご近所に、ウサギ放し飼い放題の家がある。
先日、遊びにいきがてら見に行ったのです。
庭は道路に面していて、子供たちが群がっていたからすぐ分かった。
白、グレー、パンダ、黒、茶色・・・予想を超えるウサギ王国で(普通の家だけど)
子ウサギもいっぱいいた!かわいい!さわりたい!なでなで、なでなでと!
手をのばせばさわれそうだったけど、隣でちびっ子が「さわりたいなぁ・・・」と
とっても小さな声でつぶやいてたのを聞いて、さわるのはやめた。
何となく、ここで大人の体の大きさを使って手を伸ばすのはズルイ気がしてね。
だから同じ位の音量で、うん、さわりたいねと言ってうなずきあった。
ウサギはファンタジーだぜ。


しかし子供たちが去った後、突然パーン!と空砲のような音が響いて
20匹近くいるウサギ達がバタバタ走り回って、あたりが騒然とした。
子ウサギは木の陰や穴の下に隠れ、大人ウサギはめいめいの方角を向いて
後ろ足だけですっくと立って、静止した。何?何?どこ見てるの??
またパーン!と大きな音がした。私は驚きまくって心臓がドキドキしたんだけど
どうやらウサギ自らの足で地面を叩いているようだ、と友人が気づいた。
というか、友人は足をパーンと叩きつけているウサギに凝視されていた(笑)
何度も音が鳴ったんだけど、その合図のような音が踏み鳴らされる度に
ウサギ達はザザッと動いてフォーメーションを変え、静止してあらぬ方向を見る。
キョロキョロするでもなく、ウサギ同士で目を合わせることもなく、各自全然違う場所をみてるわけ。
二本足でぴたっと静止してね。
みょうな光景でした。前衛の演劇みたいだなぁ きっと何か警戒することがあったんだろうね。
なんて話してた。でもあれはなんだったんだ・・・。


そこで、会社のウサギ飼いに聞いてみたの。そしたらすぐわかった。
ああ、スタンピングね。びっくりしたでしょ。
平然と言うので、ウサギファンの間では常識なのだと知った(猫のフーみたいなもんかな)
スタンピングと呼ばれる行為、室内でかごの中で飼っても、1匹でもパーン!とやるんだって。
おもに人には聴こえないけど、ウサギには聴こえる何かの音なんかを察知して、警戒するとき。
いらいらした時にもやるんだって。1匹だとすぐ終わるけど、複数いると呼応して
パーン!(やばいぜ!)パーン!(やばいね!)・・・と延々続くらしい。
ウサギ、全然視線合わせないのに、足音で会話してたとは。
ちなみに眠るときは、丸まってそのまま眠るだけじゃなくて、たいていの場合は
突然跳んで、ひっくり返ってあおむけになって寝るんだってよ!ほんとうに変な動物だね!
2本足で立つウサギの姿って、なんとなくピーターラビットのように、手にかごを持たせたくなる・・・
ウサギはよく擬人化されてるけど、あの腰の入った二本足立ちの風情が人間っぽいんだね。
体の形は全然違うのに、不思議だ。そういえばうちのウサギ人形も洋服を着ている。
自然に受け入れていたけど、人の描くウサギと本物のウサギって全然似ていないね!


でも、スタンピングっていう言葉の響き、やっぱりなんか演劇っぽくないか?