LP→クラシックその他→現音

先日、知人の自宅兼録音スタジオへ遊びに行ったときのこと。
そこには、何年もかけて調整した自作スピーカーがあった。
「オーディオって、こだわり過ぎるともう、宗教と同じだから」とか言いながら
そのスピーカーでたくさんのLPを聴かせてくれた。
それで、驚いてひっくり返ってしまったのがクラフトワークのLPで
音の表現の豊かさというか・・・音圧がスゴイ。とても感情的で、こんなに人間的な録音物だったっけ?
つまり、それはまるで、彼らの(実は超アツい)ライブのようだったの。
いいなぁ・・・
いいなぁLPでクラフトワーク・・・♪


すっかり影響されちゃって、LPいっぱいの阿佐ヶ谷RAREでクラフトワークを探してみた。
ない。なかった。しかしなぜか、その辺りのレコードを見ているうちに私はガーシュイン
ラプソディ・イン・ブルー」をみつけてしまった!
10インチ盤で、しかもガーシュイン自身がピアノ弾いてる!買いだ買い!キャーキャーといって、
ちらと迷い込んだコーナーを見たらば、そこは『クラシックその他・現代音楽』 
そして値札には『現音』 
現音・・・そうかガーシュインて現音なのか。
武満徹、フィリップ・グラス、スティーブ・ライヒ位〜現代エレクトロニクスまでかと思っていたら、もっと古いのね。
そしてまたピンとひらめいて、いいなぁLPでフィリップグラス・・・♪
LPでライヒ・・・高橋悠治なんちゃって・・・♪
血眼になって探したけど、ありませんでした。
でもその後友人宅でガーシュインを再生したら、それはポータブルレコードプレーヤーだったけれど、その内臓スピーカーから
古いモノラル音が、そのまま音楽の響く空気を真空パックしていたようにいきなり蘇って、すごかった。本当に凄かった。


そして今日は、現音LP探しに出かけました。ほぼ直感で吉祥寺へ。
レコファンのファインプレーに期待して。しかし、吉祥寺のレコファン縮小ぶりにア然。
まったくマンガ喫茶やカラオケがはびこり過ぎの波が、ここまで及んでいるとはがっかりです。
そんなに歌いたいならライブへ行け!マンガ読みたいなら貸本屋へ行け!
と、八つ当たりの雷おやじの失望感を抱え、ろくな期待もせずにディスクユニオンへ。
すると・・・あらっ!ディスクユニオン別館の『ジャズ・クラシック館』があることが判明。
そうだ吉祥寺はジャズの街だった。しかもオーディオユニオンが同じ館に入っている。
オーディオユニオンは、中古のオーディオ(マニア系)機器が売られている店。
これは期待できる!


マニアムード満点のオーディオユニオンを通り抜け、おどおどとクラシックフロアへ行くと
じつに店内7割ぐらいは中古LP、という大量在庫が待ち構えていました。
クラシックファンの人はオーディオマニアが多そう→ならばレコードに決まってる→市場は確実に流通している→
ここは中古、RAREの価格を基準としても高くない!行け!
一瞬で私はヒョウのようにしなやかに、バーゲン会場のおばちゃんのように素早く、ハンターの直感を研ぎ澄まして
ぴょんとフロアへ飛び込みました。
もうね、凄い安い。一枚100円ぐらいからたっぷり。
ライヒとグラスはついに見つからなかったものの、高橋悠治の演奏物がいっぱいありました。
悠治がバッハ!悠治がサティ!悠治がオーケストラと一緒に!武満アンド悠治!
熱にうかされて富田勲やテリー・ライリーにまで手を出し、近隣も見まくってうっかりと予定外に
モーツァルトをも買う始末です(しかもかなりがっつりと)
あぁ・・・買いすぎちゃったなぁ。と、お会計すると12枚で3000円ちょっと。
安い。今日は現音でいっぱいいっぱいだったので、今度また改めてクラシックや、ジャズフロアも見ようとおもう。


そして、よせばいいのに南口の吉祥寺RAREへ。
あった。見つけてしまった。フィリップ・グラス。そしてクラフトワーク
グラス2枚と「コンピューターワールド」の3枚で4000円ちょっと。
ユニオンと比べれば価格的に高くもあるが、ここは仕方あるまい。
っていうか、それでも安いよね普通に考えると。


もちろんまだ全部聴いていないので、LP出会いの音楽については追って書きます。
でも現時点で、RAREで買った3枚は聴いてて、うちのチビッコトールスピーカーでも感動の響きよう!
グラスのこの1枚「Songs from Liquid Days」は、珍しいことに『歌モノ』アルバムで
歌詞が・・・スザンヌ・ヴェガ、デヴィット・バーン、ローリー・アンダーソンポール・サイモンという布陣。
もう私の妄想じゃないかと思うほど、ありえない人選でびっくりしました。
ライナーノートによると、グラス曰く
「歌詞はシンガーソングライターに書いてもらうのが、生身の人間の感情を一番うまく表せると思ったのです」
にしてもグラスが彼らの音楽を聴いてるなんて、案外うちとグラス家のCD棚は似てるんじゃないかな?なんつって。
そんな訳でこの歌詞がまた凄いので、これもまた時を置いて書きます。
ひとつの物語に沿って、4人がそれぞれ歌詞でお話を展開させているんだよ。
音はまた珍しく80年代のエレクトロニクス風味で、ポップス的なものもあり、歌い上げるバラードあり、アコースティックセットあり、
でも最後は結局、永遠に続くアルペジオが大爆発!
いつもの、グラスちゃんでした。感動。

Songs From Liquid Days: Crouch End Festival Chorus

Songs From Liquid Days: Crouch End Festival Chorus

↑輸入CDでもあったのでリンクです。お徳用セット、コヤニスカッツイ&スリー・ソングス入り!