12時間連続DVD鑑賞の刑に殉ず
あ、今日が返却日だった・・・。
先週ツタヤの半額まつりで、調子に乗って借りたDVD6枚。うっかり一枚も見てないや。
今から観始めて12時間、の計算で間に合う。12時間て・・・罰ゲームみたいだけど。
もう覚悟きめて、外はお天気だけど引きこもる準備をして、いざ。
一日に6本もの映画をみるなんて、はじめてだけどやってみた。
意外と、借りてきた映画には統一感があり、すべて別々の世界という感じがしなかった。
続いているみたいにも思えたし、それが・・・一言で言えば「罪と罰」「愛と死」そして「孤独」
わたしの休日 罪と罰 愛と死 孤独・・・
でも良い映画が多かったの。ひとりで一回り大きくなった気がする。
では観た順に、DJミックスのように流れた12時間連続、鑑賞記録です。
一本目
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: DVD
- クリック: 28回
- この商品を含むブログ (109件) を見る
劇場公開時からずっと観たかった「カポーティ」いきます。
一本目から、そんなに泣いてどうするのと思うほどちょっと・・・こぶしを握りしめて号泣。
死刑囚と芸術家、作品に飲み込まれる芸術家の魂。こんなに悲しい物語だなんて、予測していなかった。
じつはこの映画のすべてである「冷血」を私は読んでいないのです。
これを観てしまうと、何をさしおいても読むべきとも思うし、今読んだら深く傷つくかもしれないとも思う。
わたしは冷静じゃない、出会うべきときに読もう、と決めた。
あんまり心が波立ったので、丸まって少し眠った。はじまったばかりなのにねぇ。
二本目
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (86件) を見る
観たかた、意見は二分するでしょうが、私は最後の一言にそりゃないだろう、と思って
すこし怒りました。なんか後味悪かったな・・・その愛。ほんとうの愛情に目隠ししてるだけな気がして。
せっかく、生きているのに。うーんと考え込んでしまった。さあここから復讐劇が3本続くのです。
三本目「RAIN」
リンクがない・・・ので少しだけ書くと、タイの映画です。いくつか賞を取っているようです。
タイの映画ってどんなのかな、と興味を持ってみたら、この作品は超シリアスなノワールもので
耳の聞こえない暗殺者のお話でした。すこし前のウォン・カーウァイのような撮り方で
映像のスタイリッシュさを強く出している。でもカーウァイほど感情的じゃなくて、冷やっとしている。
音の無い暗殺シーンが続くから、とても冷徹で淡々と進む。路上の惨殺に心のゆらぎを感じない。
でも親友の死に心が爆発してね、そこからの感情的な復讐シーンはとても悲しかった。
純真な暗殺者が自分の罪を自覚したとき、深い悲しみがのしかかる。
耳から得る感情情報も、話をするコミュニケーションも少ない日常に生きていた男の心の変化。
無骨だけれど丁寧に、罪と罰と愛について描いたいい映画でした。
四本目
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: DVD
- クリック: 88回
- この商品を含むブログ (113件) を見る
そしてまた、耳の聞こえない男が主人公なのです。でもノワールじゃないし、普通の市民たちのお話。
転げ落ちるように・・・とんでもない展開をする映画でした。
コメディタッチの前半から一転して、後半はどこまでも人を突き落とし、哀しみが連鎖する、
幾つもの死がゲームみたいに流れる。彼ら善良な市民がなぜこんな事態に陥ったか、なぜなんてどうでもよくて
つまりはタイトル通りのことなのだ。罪も罰も因果応報も、くもの巣にからめとられてしまった。呆気にとられる
ものすごい映画でした。
五本目
- 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (95件) を見る
北朝鮮と韓国の国境線で起きた、どうにもならない小さな友情物語のお話。
両国のひどく断絶した関係と、そのルーツはひとつなのに、互いに分かり合ってはならないという掟。
このどうにもならない感を敢えて韓国で、映画にしたのは(しかも、兵士の友情という分かりやすい観点で)
凄いことだと思う。エンターテイメントとして。社会派だけで片付けられない自分たちの国のお話を
真っ向から捉えて。北朝鮮の人たちにこそ見てほしい映画だと思うけれど、公開はされたのかな、されないか・・・。
三本観て、パク・チャヌク監督はほんとに魅せるのが上手いと思ったけど、これが一番良かったな!
ラストー!六本目
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2003/12/20
- メディア: DVD
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
ここまで辛く、悲しく、やりきれない思いになっていたから、すんごい癒された・・・。
香港映画のいいところは「ジャケットを見れば内容がわかり、決して裏切らない」ことです。
ごらんのとおり、温かい人情コメディです。ちょっとほろり、ああよかったな。で、
今夜はよく眠れそうだと思いながらツタヤへ走ったのでした。
なんか長い一日だったなぁ・・・。