恋愛睡眠のすすめ

ミシェル・ゴンドリーのビデオクリップは大好きだけど、映画を観たのは初めて「恋愛睡眠のすすめ
今作はゴンドリー自身の脚本だったから、それなら観てみようと思ったのと
最近、眠りすぎだなと思うほど、よく眠るので・・・早く寝ちゃったり、休日は14〜15時間。今日もそう。
精神病のなにかかと思って、人に相談してみたり(どうも違いそうだなーと知ったけど)
現実逃避?春だから?・・・とにかく眠りすぎはよろしくない。体が痛んじゃうし、夢を多く見過ぎる。
それで夢についての本を幾つか読んだ。ざっと読み終えて、今日はこの映画をとても観たくなったの。


夢でもし会えたら、素敵なことね・・・を映画にした恋愛映画のような宣伝だったけれど、
そんな素敵なだけのものじゃなかった。もしそのままだったら、きっと退屈だったと思う。
失恋した主人公が、夢の中では恋をかなえて幸せいっぱい状態が続く、なんていうのはあり得ない物語。
夢ほど混乱した現実は無いんだから。
現実で傷ついたとき、傷を癒す夢もあれば、傷を象徴するような酷い夢もある。
そして、現実もまた同様に。パラレル・ユニバース。
この映画の凄いところは、現実と平行するステファン君の夢世界が、夢として本当にリアルな展開をするの。
支離滅裂で飛び飛びにシャッフルする世界のなかで、現実世界の印象が唐突に入り込んでくる。
愛する人の存在は、甘い時間を過ごすだけでなく、コンプレックスや後悔の渦のなかに立っている。
現実と夢と、その表裏一体の平行世界について、これはドキュメンタリーと言いたくなるほど的確に
リアリティをもって描いてる映画だった。こんなの見たことない。こんな視覚体験、自分の心以外ではじめてだ。
ゴンドリーのスーパーファンタジー映像は、もちろん夢の中のシーンで炸裂するんだけど、現実にもちらついてる。
そこに至る物語構成といい、映像の美しさといい・・・お見事!としか言いようがない。
きっとゴンドリーはほんとうにああいう映像の夢を見ているんだろうな。


映画はだんだん、どこまでが夢か現実か、境目がわからなくなるような見せ方をしてくるのね。
つまりステファン君の「ひとつの頭の中」が、ほんとうに混乱してしまって、
現実も夢も、どちらの世界も、乱れた心をアウトプットした行動になってきちゃう。
それが絶妙にうまい。現実の小さな奇跡、リアルな悪夢。どちらが、どちらなんだか。
憔悴しきったステファン君が最後に見た、ささやかな現実と、ささやかな夢。
あぁやっと一致した。とわたしは思って嬉しくなりました。
最後の夢は、ゴンドリーの完璧なファンタジー映像に異変が起きる(笑)から
ゴンドリーファンは見てみるといいです。あれっモンティパイソンかな?って感じよ。ホント。


あからさまに女の子向けの宣伝は無視して、見てみてください。いい映画だから。
公式サイト→ http://www.renaisuimin.com/
それから・・・久し振りに見たシャルロットはやっぱりかわいかった。もはやそこに居るだけで可愛い。