現・実・逃・避 どこまで逃げた?

現実逃避、大事なのはどこへ逃げたか?だと思う。
逃亡先では、ありえないほど楽しめなきゃね。
禅のように無心になるとか、愛で満ち溢れるとか、常軌を逸したカタルシス
現実逃避とはリ・クリエーションで、だからこそ逃亡先にもそれだけの磁場があれば
すばらしくスンナリ、すっきりと現実に戻れるのだなぁ。
と、思ったの・・・ガボガボの短編集を読んで。


本を開くときに、楽しみなのはその世界へ戻ること、長編だと。
短編は、開くたびに、どんな世界が待っているかわからない。
だから短編集は、続きを開かせるエネルギーを問うなぁといつも思う。
うちには、読みさしの短編集がいっぱいあるんだよ。


最近、仕事がぱんぱんだから、現実逃避する。
そういうとき、私はそんなエネルギーが必要なのを知っていながら、短編集ばかり選んじゃう。
時間が無い という強迫観念のせいだろうね。
このごろも、うちの読みさし君をちらちら読んでいたけれど、どうも集中できない・・・。
ついにガボの短編集に手が伸びて、あぁ!これを今求めていたのだ!と驚いてしまった。
本を開くたびに、違う世界が現れるのに、物語が始まると全てを忘れて
礼拝のときに手をお祈りの形にするように、心がいっせいに整う。
そして・・・
はじめの数行でぐわんと引き込まれて、私はガボの『書き方』がほんとに好きなんだけどね
セリフの言葉や、それが出てくるタイミング、シチュエーション、風景と世界観、
現実がぐらりと揺らぐ、魔術的な幻の入り込みかた。転がるような物語の展開。
それは、一瞬前まで現実にやられてはっきりしなかった頭を、べつの場所へポンと置いたみたい。
本を開くと、四次元ドアを開いたのと同じような・・・一瞬の全世界変化。


読み終わると、現実にもどっていく。
現実逃避は、やり切らないと意味が無い。はんぱに逃避してもストレスが増すだけで
逃げ切ったときには、爽快な気分で現実に戻れるのね。
それはきっと、科学的分析をしなくても、ストレス解消になる心身にいい行為なんだろうね。
休日に遊ぶのとおんなじ。
あなたがもし、ストレスや悩みごとでもやもやしているなら、いったん、逃げ切ろう!
さぁ ガボ出番よ!(今読んでるのはコレ)

十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)

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ブラッドベリ、宇宙と時間へ逃げるなら!
刺青の男 (ハヤカワ文庫 NV 111)

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もういっちょ 楽園へ逃げてみる?
ハワイイ紀行

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わたしを完全にどこかへうっちゃりした三冊、ぱっと浮かんだだけ並べてみて、思う。
心が『お祈りする手』になる感じ、という基準は変わらないなぁ・・・。