「ここではないどこか」の本
ずいぶん遠くまで旅をして、帰ってきたような感覚です。
週末に読んだ本、ここではないどこかへ行ってきた。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: 文庫
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買ってよかった・・・。私には一生ものの本です。
雪沼という地名の、架空の寂れた田舎都市のものがたり。
寒い日のしんとした静けさ、少しぬくもりながら息が白く、穏やかに生活を営む冬。
まっすぐに美しい文章で、街と人の風景を伝えてくれる。私、堀江さんの書き方大好き。
池澤夏樹さんや日野啓三さんの肌触り、それに最近ようやく読み始めた吉田秀和さんの音楽評論集
(そもそもこの人の特集番組に、堀江さんがインタビュアーで出てたから借りた)
音楽についての表現のしかたが、とても似てるんだよ。
雪沼は、北海道の旅、とりわけ余市を思い出した。また北海道に行きたいなぁ。
そしてあとがき文は・・・池澤夏樹さんによるものでした。嬉しかった。
- 作者: 吉田篤弘,フジモトマサル
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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もうそろそろ買ってみよう、と思ってなぜかこの本を選んだ。
「読書」をめぐる短編集(というか絵本かな)で、吉田篤弘さんの文章とフジモトさんの絵が
ぴったりひとつの情景を描いているのが素晴らしい。
この情景というのが、ほんとに「ここではないどこか」を目にしているようだし
映画のワンシーンみたいに体感する。だから旅しているような錯覚が起きて、夜行列車や公園、喫茶店、
病院・・・とさまざまに読書してる動物の絵姿に、他人とは思えない愛おしさを感じる。
そして、ほんとうに色んなところへ(本を懐に)旅してきた感じがするんだよ。
- 作者: リチャードブローティガン,Richard Brautigan,青木日出夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/08/01
- メディア: 文庫
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長編だけどセンテンスが短い、断片集でできた小説だから、このところ電車の中で移動中ずっと読んでた。
二駅で乗り換えて〜なんてことに集中力が切れることのない、つぶやきだらけの書物。
このお話はロードムービーだから、旅してる感があって当然なの。だけどなんだか、どこに移動しても
移動してなくても、主人公の目線はストレンジャー。そんな感覚でわたしも電車に乗りながら、
過ぎていく風景や目的地、私の目の前の人たちをみる。
「ここではないどこか」?
矛盾したこの言葉が視界に現れているのは「ここ」と「どこか」が同時にパラレルしているからだね。
世界はどこまでも広いのなー。
今、萩尾望都さんの「ここではない★どこか」シリーズを読んでいるから今日はこんなタイトルに・・・