雑誌について

はげしく忙しい日々です。
終電間際の帰宅が続き、土日もなしで走るしかない。
そんなジェットコースターの上からお届けします・・・?
然し、ただいま頭上の空は晴れています。なんでだろう。ストレスがあまりない。
風が吹いています。


さて、きょうは雑誌のおはなし。
こないだ気晴らしと仕事の参考用に買った「クロワッサン」のバックナンバー。
はちみつ料理特集だったのだけど、そのレシピを徒然にながめているうちに
気づいたらかなり本気で読みいって時間を忘れてしまいました。
なぜ料理のレシピがこんなにおもしろいのか・・・写真と作り方だけの伝達が
なぜこんなに私を熱狂させるのか?
これが小説のように並列の文字だけだったら、ここまで夢中になる前に居眠りするとおもう。
わたしは雑誌がだいすきです。


雑誌はじつは映像に構成が近くて、仕事でも、この特集ページを映像で5分に、
なんていう企画をやることもある。見出しと、写真があらわすイメージと本文。
そのページ構成が出来てから映像を作る仕事は、とてもやりやすい。
映像と違うのは、時間軸。雑誌はどの隙間でもシャッフルして縦横無尽にとべるし
切り抜いて貼ったり、スクラップをして、読者が自由に再構成できること。
そして断片でしか伝えきれないことだし、その表現はデザインであり芸術であること。


このごろの雑誌はおまけ付きがいっぱいある。
ブランドものの可愛いミニバッグなんかが平気で500円前後でくっついてる。
しかし、とくに女性誌は乱立しまくり、まぁまぁどれも似たようなテーマ・・・
洋服のコーディネイトとメイクとヘアスタイルで一冊ぺらっと終わるので
こうなると、おまけ勝負でしかないよなぁと思ってしまう。私もおまけにひかれて買って
いざ雑誌を読みはじめると、30分もたないほど内容の薄いものが多い。
他人の髪型ってそんなにたくさん見たいかな?コーディネイトは自分の意思で決めるもんでしょ?
とか・・・オシャレがね、日々の表現としての芸術になっていない雑誌はあんまり好きじゃない。
すてきな女性の写真が、ページデザインでより広がってすてきに表現されている。そういう雑誌こそ
良い雑誌だと思う。いいなぁって憧れるのはやっぱりそのページがみせる世界なのだから。


ふだん、頭がいっぱいいっぱいのときにみるのはやはり「オレンジページ」や「レタスクラブ」で
特集によってどっちにするか決めるけど、これは私の偏愛であってあまり皆さんにおすすめしても
どうかとおもいます。
というわけで、最近発見したのは「暮らしの手帖」がものすごい面白いこと。
冬支度のコツといった知恵袋から、多重債務の解説、パニック障害ってなんですか?
と、暮らしにまつわる様々なものが独自のおだやかなテンションで綴られているの。
フォントは独特な明朝体だし、この落ち着き静謐さはなんだろう。と思ったら
編集者は松浦弥太郎さんでした。これまたびっくり。
同じような流れでいくと「クウネル」はやっぱりおだやかで、ほっとします。
地方の食べ物の掘り下げかたが、すばらしくドリーミーですきだ。
あとはね「真夜中」高いけど、真夜中に読むとかなりいい眠りにつけます。
仕事でうあーもうやだー!となったり、めちゃくちゃ自分をぶっ壊したくなるときは
「+81」や「風の旅人」をながめます。全然違う二誌だけど・・・わかって。どちらも大胆かつ深い雑誌。


わたしは情報収集というよりも、ページをひらいて、その瞬間に別の世界へ連れて行くような
どこでもドア的な感覚で雑誌をみます。電車の中で、静かにかんがえたり、想像をふくらませたり。
雑誌は便利ですてきですね。
きょう「暮らしの手帖」のつれづれコラム「すてきなあなたに」の書籍版が
わたしの手元に届いたので、嬉しさついでに。