東京マラソンへ

akk2009-03-22

日曜の朝8時、新宿駅はこんな時間でも人が多い。
きょうは東京マラソンです。アスリートな先輩が出場するから応援に駆けつけた。
出場者は3万5千人!そのなかの一人をみつけて応援するのだから不可能に思える。
TVで見ていた昨年の映像。しかし映像はとうてい伝えきれないのだ。
この現場の空気、異様な光景とスケール感。その場にいる走者と応援者のテンションを。
なんでも見て聞いて体験してみるもんだな。としみじみ思ったのでした。


早朝の都庁前は曇天だった。
上空に空撮ヘリがぐるぐる旋回し、飛行音が響いてなんだか不穏な雰囲気を醸してる。
沿道にはすでにたくさんの人々が待っている。
選手と応援あわせたら、いったい何人の人々が参加してるんだろう。
石原慎太郎がパーンとピストルを打ってスタートする。
東京の主要道路を全面封鎖して行われる、ってことの物凄い権力をおもう。
わたしはあの都知事の考えは偏っててあまり好きじゃないけれど、頑固とやり通しパワーにおいては
相当なもんだとおもう。
スタートの光景は圧巻だった。まさに民族大移動。CGじゃないかって位の異様な光景。
都庁前から新宿通り、靖国通り・・・歌舞伎町の前をバッファローの群れみたいに大勢の人々が駆け抜けていく。


とにかく主要道路をランナーが走ってるから、道の向こう側へ渡るには地下道をくぐるしかない。
だけど東京という場所は、それが容易に成立する設備が整ってる。
街という街にこんなに地下空間が張り巡らされているんだって、今日ほんとに実感した。
応援する人々は地下鉄で移動して、出たところで見る。反対側へ行きたければ地下をくぐればいい。
それは面倒なことなのにそう感じない。私たちがいかに地下移動に慣れてるかがわかる。
それに、きょうは道の上を3万5千人のランナーが走っていると思うと、階段の上り下りが苦にならない。
そしてすごいのは、見たところトラブルも起きていないし、混乱もしていないこと。
なんだかまるで、その光景はあれだ、フジロックの場内みたいな感じ。
みんな見たいものを目指して移動したり、道端でごはん食べてたり、お祭りのような空間の開放感。
それが都心の広域において成立してるのと、老若男女たっくさんの人たちが参加してること。


道端で先輩を待ち構えるのは、思ったより簡単だった。
携帯サイトで、選手の姓名を入れればリアルタイムで情報が入ってくるから。
○km地点通過、ラップタイム○分、個人の走行ペースがわかるから目安もつけやすい。
スタートこそ民族大移動状態だったから、さすがに見つけられなかったけれど
5kmもすればばらけてきて、ひたすら待っていると見つかる。このシステムもすごいなぁと感心する。
さらにフジテレビの携帯サイトでは、全員のゴールの瞬間がムービー配信されるっていうんだから・・・
すごいよね、本当に。びっくりする。


でも先輩を発見したときのうれしさは感激的で、マラソンの応援っていう素朴な行為の温かみを感じた。
沿道ではランナーを励ますための手作り横断幕をたくさん見たし、
頑張る人々へ声援を送る、ただ「がんばれー」「ファイトー」だけの一言が、
長い距離を走る人への励ましになるっていうごく単純なコミュニケーションの美しさを見ることができてうれしかった。
わたしはたまたま先輩っていう具体的な対象者がいて、その場にいたけれど、
近所の人と思われるおばちゃんがずーっとランナーに向かってエールを送っていたり、
子供たちが大興奮でランナーたちにハイタッチをして、お互いに笑顔になっている光景を見かけると、
いいなぁと純粋におもう。スポーツって。単純でうつくしい。


私達の追跡は日本橋方面までで、最後までは行けなかったけれど
途中小雨も降ったりしながら、なんとか天気がもってくれてよかった。
帰り道に携帯サイトで、先輩が時間内にゴールしたことを知った。
無事完走。よかった。今ごろ埋立地がカンゲキの渦にキラキラ光っているんだろう。
(その光景もちょっと見てみたかったな。)


民族大移動の図↓