スリッポンのよた話

もう一ヶ月も前のことになるけれど、ロケのためにくつを買った。


脱ぎ履きが1秒で終わる
ひもがない(甲高ですぐひもがほどける故に)
足の裏に障害物がない


という便利なものといえばスリッポン。
しかしひも調整の逃げ場がないので、むくむときつくて居心地がわるいスリッポン。
それでもわたしの職業に、一足はないと厳しいスリッポン。
NIKE FREEの現行デザインがあまりよろしくないので、ひさしぶりに原点へ
バンズにもどってみました。

わたしの履いているものは、黒に水色の水玉がはいっている。
黒ベースで選ぶのも、仕事上なのスリッポン。
派手なものだと、まじめな会社相手に履いていけないと困る。
このデザインで地味といえるのかと云うと、スニーカーの中では
のっぺりと装飾要素のすくないつくりのスリッポン。
黒の面積が多いからちゃんとしてみえる。後はデザインによるけれど。
バンズのスリッポンのいいところは、さらに


雨がふってもすべらない


これが加わる。バンズは大味で無骨なつくりだけれど、スケートボード用のくつのメーカーなので
グリップがどれも確実によい。
さらに衝撃のために分厚めに靴底をつくっていて、布も厚いので雨があんまりしみてこない。
でもずっと立ってるとつかれる。


ロケが終わると、あとはよく座る日と雨の日に気まぐれで履く。
わたしは気に入ると毎日同じくつを履くのだけど、たまにスリッポンを履くと
つっかけみたいで開放的だなあと楽しくなる。
今日はのんびり、というロケ用に関わらず、ロケ外だと相反する気分になるのがふしぎ。


でもスリッポンは毎日履けない。ひもがないから。
甲高でしょっちゅうひもがほどけるけれど、ひもを結ぶ行為がすきなので
毎日履くには、ひもが必要だ。
だけどたまにはひも結びのない日があってもよくて、らくだし時間がかからない。
寝坊したらスリッポン。


今日は雨で寝坊してまじめな会社にロケハンに行ってきたから
すんごいスリッポン日和。
一ヶ月も前に買ったのに、きょうになって突如三人のひとに靴が新しいと言われた。
だってきょうは、スリッポンを満喫するゆとりある日だったんだものね。
自分が満喫していると、それ伝わってくつが光るのかなと思った。
物に魂が宿る。ピカ。