くる年/劇場版 相棒2

とても忙しく、なかなか更新できませんでしたけども
今年の初映画は、めでたく元旦に「劇場版 相棒2」を見てきました。
元旦ってそういえば1日で、映画の日なんですね。
おかげで縁起良く1000円で鑑賞することができた。
映画館は空いているし、地元の立川シネマシティで、しかもシネマツーで
こちらのハコは、モノレールの駅を降りてすぐ、その景観がとても好きで
私は本館のシネマシティよりもツーのほうが、圧倒的に気に入っています。
清潔ですっとしていて、すいた空気感の目抜き通りは、金沢の都市の雰囲気に似ている。
ああ、また金沢行きたい。


最近、というか今シーズンからの相棒はちょっとすごくて
「正しさとは何か」を初回から突きつけられている感じがしています。
わたしはそれを、陪審員制度のはじまりとつながっているんじゃないかと勝手に思っていて
わたしたち一般市民が罪を裁く立場になったとき、個人個人の「正しさ」と向き合うことを
そしてそれ以前に、その「正しさ」の前提ですら、騒音に惑わされず自身のなかに有るのかと
考えさせるようなドラマになっていると思う。
「劇場版 相棒2」のテーマは「あなたの正義を問う」
真正面からぶつかってきた、と思った。


とにかくすごいのが、役者の壮絶なパワーです。
面白い、とかうまいへたという次元じゃなく「壮絶」なのです。
人と人の感情のぶつかり合い。むき出しの瞬間、息をするのも忘れるほど観客を呑み込んでしまう
そういう物凄い瞬間が、幾つも幾つも波のように訪れる。
それぞれの正義が、ふりかざされることなくコミュニケーションとしてぶつかり合い
それが火花を散らしたり、溶け合って新しい展開を生み出したりする。
果たしていま、このように自分の正義を守りながら他人と向き合わなくても生きていける惰性の世に
鉄拳をくらわすような映画でした。
それはストーリーラインというより、ドキュメントに近い形で描かれるコミュニケーションの記録です。
こんなに硬派な映画は、日本映画ではとても久しぶりなんじゃないかと思う。
こういう映画がばりばりに派手に宣伝され、シネコンで全国ロードショーされるのは
とてもうれしく思います。


小西真奈美、ここまで水谷豊と互角にぶつかり合えるなんて…びっくりしたなあ。
相棒はドラマでもそうだけど、役者さんの活かしかたが毎回素晴らしくて
この人こんなにうまかったっけ??とびっくりさせられることが多いのが素敵。
ちょくちょく、寺脇相棒の再放送をやっていたりするけれど(それも面白いけど)
いまの世間のさめた空気VS特命係の熱い冷戦には、ミッチーの相棒がやっぱり、ぴったりだと思う。
うむ…やるなあ。流れ完璧だなって感心しちゃうわ。


元旦から配布の右京さんポストカード、いただいたので壁に貼ってみたりして
あなたの正義を問う とか書いてあれば格言ぽくて良い感じにキマるのだけど
ポストカードには「Happy New Year」って書いてある。
右京さんからの年賀状と思って、しばらく大事に貼っておこうと思います。
今やっている、とても壮絶な仕事の終るまでは…魔除けしてね右京さん!