西友ががんばっている

すこし前に、阿佐ヶ谷駅前の西友がリニューアルした。
その後はじめて入ったら、とても見やすい配置に変わっていてうきうきした。
品数も多く、やすくてよさそうな魅惑のものが色々置いてあっておどろいた。
そもそもリネンまわりを覗きにいったのだけど、ベッドシーツにタオルケット、
それに、そば殻まくらを買ってしまった。
今まで羽毛のまくらしか使ったことがなかったのに、わたしも大人になったものだ。
「ひのきの香り」にぐっときて、まくら998円。びっくりだ。
硬いそば殻まくらは、旅館に来たような感覚を抱かせる。
まるで今、どこかの田舎にいるような・・・夜と眠りが透明に感じる。
まくらひとつで健やかな気分だ。とてもうれしい。


西友にはよく見れば、可愛らしい服や下着も置いてあって
このごろ「スーパーの服を安くておしゃれにする」プロジェクトを始めたって
聞いてたから興味深くみて、ついでに色のきれいなノースリーブをかった。
ユニクロブームから始まって、海外の安価ブランドH&Mやフォーエバー21のバブルと
安いメーカーがブランドとしてステータス化していくお祭り騒ぎの混沌のなかで
だいたいその元祖だった無印良品をつくった西武グループが何もしないわけはないよね。
(なんだか最近じゃ、無印は高級にみえるほどだ。)
というわけで西友、こんなことを始めていたのでした。
SEIYU FASHION PROJECT
http://www.seiyu.co.jp/sfp/
がんばってるなあ。わたしは個人的な思いから西友を応援したくなってしまう。


そのむかし、わたしが子供のころ、「西友へ行く」のはお出かけのお楽しみだった。
西友へは車でいった。大きな駐車場がある。「福生西友」は他の西友とはすこし違っていて
米軍基地の近くだからだと思うのだけど、特に服ははっきりとおしゃれだった。
リーバイスやLeeなどのアメリカのメーカーや、パリのESPRITも置いていた。
海外の輸入品が多く、そんなに高くなく売っていた。
西友の本屋には洋書がたくさんあり、スヌーピーのマンガをよく買ってもらった。
英語は物語柄あまり関係なくて、スヌーピーがEHEHEH、HAHAHAとわらう、
絵と手書き文字のバランスがとてもよく、ペーパーバックの質のわるい紙もすてきだった。
買わなくても、かならず立ち読みをすこしした。


そのような日曜日の午後の思い出が「西友」にはつまっていて
早くて安くてうまいものが都会から田舎までいやおうなく溢れる、いまのスピードに合わせても
やっぱりわたしは西友を応援したいと思ってしまう。たのしい時間をくれた。
便利でスピーディーでたくさんのものの津波のなかで、おぼれず沈まずに
福生西友」や、地元のちいさなレコード屋でLPをだいじに買ったようにして
街とものとゆっくり向き合っていければ。
生活はごく幸福になる。
きっとだからわたしは、東京じゃない地方都市の、時間の流れにいつもあこがれるんだとおもう。


↓「福生西友」の音楽(の思い出とこころ)

明日に架ける橋

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